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もしも加賀楓と横山玲奈がふたり旅をしたらありがちなこと
25
:
名無し募集中。。。
:2017/09/17(日) 17:02:58
楓は置いてある拳銃に手を伸ばそうかと考えて、利き手の指を曲げた。
だが稲光で真莉愛のホルスターのフラップが外されているのが目に入る。
仕方ない。相手の出方を見るしかない。
「かえでぃーもよこやんも…動かないでね」
「…動けないよ」玲奈は答えた。
そんなことをするものか。真莉愛がいるだけで怖いのだ。
拳銃を見る必要などさらさらない。
「でもさ、いつまでくっついてるつもり?」真莉愛は理屈とは矛盾する文句を言った。
楓は思いきって拳銃に手を伸ばした。
だが、その手が届きもしないうちに真莉愛は蜘蛛のように素早く移動し、楓の頭に拳銃を押し当てた。
玲奈が悲鳴を上げる。
「バカな真似はしないでね」と真莉愛。引き金が引かれた。
ふたたび、玲奈が泣き叫んだ。乾いた金属音。
「…悪ふざけはよして…」楓の両膝から力が抜けて水のようになった。
心臓は早鐘を打ち、身体が熱い。息をするのも苦しくなる。
「次の薬室は空じゃないからね、かえでぃー」
一瞬の沈黙があり、楓がサンドペーパーのようにざらついた声で答えた。「…分かった」
脱けるときは死ぬとき、という古い掟はただの脅し文句だ。
脱けようと思えば脱けられる。ただし、それなりに面倒な手続きが要る。
背を向けてすたすた歩き去るわけにはいかない。
周到に準備を整えないと、危険な疑惑を招くことになる。
「まあまあ、ふたりとも落ち着いて」真莉愛が調子を変えて明るく告げた。
落ち着けるはずもないが、楓も玲奈も反論できない。
「まりあは味方だよ」
「そうかな…」とても信じられない気分だった。
真莉愛は拳銃をホルスターに戻し、その銃床に手の付け根をかけた。
「でもね、かえでぃー。あなた“指定居留地”を勝手に離れたんだよ。
まずはまりあに断りを入れてほしかったなあ」
「そうすれば離れるのを許可したの?」
「しかるべき心構えが必要でしょ、誰だって」真莉愛はにやっと笑って、しゃんと背筋を伸ばした。
数秒後、真莉愛は力任せに楓を抱き締める。
「ごめんちゃいまりあ、よこやん、ちょっと退いてくれる?」
濡れた服を脱ぎ、首を振って髪を整えると靴を蹴って脱いだ。
毛布の下にもぐりこんで言う。
「足が冷たいの。かえでぃー、温めて?」
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