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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

98 ◆V9ncA8v9YI:2016/02/26(金) 08:25:54
打倒ベリーズのための作戦会議は3日後、マーサー王国の城にて行われる。
国際的な会議であることを考えれば開催までの期日が極端に短いが
マーサー王とサユの救出という目的を早期に果たすにはこれが適当なのかもしれない。
そして今、ハルナンは馬を走らせ、アンジュの王に謁見している。
ベリーズとモモコ一派、そして他にもいるかもしれない敵に対抗するためには
アンジュ王国の番長と果実の国のKASTの力が必要不可欠だと考えたのだろう。
外交担当として、確実に二国から協力してもらうためにハルナンはここまで来たのだ。

「かくかくしかじかという訳なの。 アヤチョ、出来る限りで良いから助けてほしい。」
「いいよ!アヤがいく!ハルナンを困らせる悪い奴をとっちめてあげるよ!」

アンジュ王国の王、アヤチョは簡単だった。
親友ハルナンのためならどんな犠牲を払っても良いという考え方をしているのがその理由だ。
それに対して裏番長マロ・テスクはハルナンに厳しい。
車椅子生活となり、戦士として以前のように戦うことは難しくなったが
口の達者さは据え置きのようだった。

「ちょっと、アヤチョには王の仕事がたくさん残ってるでしょ?
 そんな簡単に居なくならないでくれる?」
「え〜……じゃあ番長たちをハルナンに貸すのはどう?」
「番長たちって、7人全員?」
「そう!あの子たちが揃ったらきっとハルナンの助けになるよね!」
「それはダメ、全員は貸せない。」
「なんで!?カノンちゃんケチだね!」
「考えてもみてよ。全員いなくなったら国防の指揮は誰がとるの?
 興行の舵取りは誰がやるの?いないでしょ?」
「カノンちゃんとか。」
「私はアヤチョに押し付けられた面倒な仕事をいーっぱいこなさないといけないんだけど?」
「う〜……」
「それにね、困ると思わない?」
「何が?」
「番長7人がそこのハルナンに唆されて裏切られたりでもしたら、アンジュは終わっちゃうよ?」
「「!!」」

マロの言葉に、ハルナンはギクリとした。
もちろんそんなことをする気など微塵も無いのだが、
過去を顧みるに、ここで否定しても説得力がなさ過ぎるのだ。
そんな感じで小さくなるハルナンとは対照的に、アヤチョは激しい怒りを露わにする。

「酷いよカノンちゃん!ハルナンがそんなことする訳ないでしょ!!
 分かった!ベリーズが敵って言われて拗ねてるんだ!
 ひょっとしてそのこともハルナンの嘘とか言うんじゃないの!?」
「いや、それは信じるよ。」
「「えっ?……」」
「ベリーズ戦士団様を己のために利用することがどれだけ罪深いか、
 ハルナンはよーく知ってるだろうしね。」

ハルナンは背筋がゾクッとするのを感じた。
過去にベリーズの一人であるクマイチャンを利用して、
その結果マロに痛い目を見せられたのを思い出したのだ。
ハルナンは決意する。
ここでマロ・テスクを説得するには全てを洗いざらい説明するしか無いと悟ったのである。

「すいませんマロさん、どこかで2人で話せませんか?」
「2人で?怖〜い。私なにされちゃうの?」
「アヤチョにも聞かれたくない、大事な話がしたいんです。」
「「!!」」


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