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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

95 ◆V9ncA8v9YI:2016/02/25(木) 08:40:42
アンジュ王国からそう離れていないところに「果実の国」がある。
ここの人々は自分たちをファミリーのように思っており、平穏無事に暮らしていた。
病を治療する医療施設が数多く建設されていることも平和を維持するのに一役買っていると言えるだろう。
そんな医療国家の中でも最先端の研究をしているのはユカニャ王その人だ。
彼女は王であり、元戦士であり、且つ理系女子としての一面も持っている。
宿敵"ファクトリー"を撲滅することを目指して、今日も実験に精が出ているようだった。

「うーん難しい……この"NEXT YOU"さえ完成すればあの子達はもっと強くなれるのに……」

ユカニャが今作ろうとしているのは、世にも恐ろしい薬だった。
まだ研究段階ではあるが、その薬をひとたび飲めば生まれ変わったかのような強さになるとされている。
まさに「次の君」になるのである。
だが体の組織を作り替えるほどの劇薬であるために、効能が切れたとして元に戻れる保証は全くない。
それどころか非常に苦しい副作用に苛まれる可能性だって十分にある。
ユカニャは現在、その副作用を取り除くために相当苦労しているが、なかなか上手くいっていないようだ。
国を護るためにファクトリー打倒を目標に掲げるユカニャ王ではあるが、
それ以前に彼女は医療に携わる者としてのプライドがあるため
危険な薬を危険なまま兵士に渡すことなんて決して出来ないのである。

「この分だと完成はまだまだずっと先かな……
 まぁ、あの子達も強くなっていっているからひとまずは安心なんだけど……」

ユカニャの指す「あの子達」、それは果実の国の戦士「KAST」のことだった。
カリン・ダンソラブ・シャーミン、アーリー・ザマシラン、サユキ・サルベ、トモ・フェアリークォーツ。
この四人の戦士はモーニング帝国での一件以降、訓練の水準を何段階にもあげていっていた。
ジュースを飲まなくてもモーニング帝国剣士やアンジュの番長らに対抗できるように、
ありのままの自分を鍛え上げたのである。
その結果として、彼女らは最高級のパフォーマンスを魅せる戦闘集団へと成長することが出来た。
仲でも一番変わったのは、以前まではサポートのみに徹しようとしていたカリンだろう。
カリンはカリン本来の強さを取り戻している。

「やるじゃん。まるでゴールデンチャイルズの頃のカリンみたい。
 あの時のような活躍を期待してるよ!」
「いやいやいやいや、ちょっと待ってサユキ、
 あれはタケちゃんとかフクちゃんとか他のメンバーが凄かっただけで……」
「おいカリン!また卑屈になってるよ!」
「ひぃ!トモ!ごめんなさい〜」
「あはは、性格だけは今までのリンカのままやな。」


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