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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

906 ◆V9ncA8v9YI:2019/04/23(火) 23:04:31
「待てーっ!!」

モモコの思惑通りにアーリーは追撃を仕掛けてきた。
トンファーによる振り下ろしの軌道をモモコは完全に捉えている。
そのため、後は小指をちょんと当ててやれば作戦成功だ。
それだけでトンファーは意図せぬ方向に逸らされ、アーリーは立ってられなくなることだろう。
しかし、モモコの策は失敗に終わった。
狙いに気づいた戦士がこの場に存在したのだ。

「させないっ!!」
「!」

モモコの左肩に強烈な蹴りが入った。
その蹴り技の主は、さっきまで倒れていたはずのエリポン・ノーリーダーだ。
激しい転倒によるダメージを負っていたものの、ギリギリのところで堪えて、アーリーのピンチを救ったのである。
モモコはポーカーフェイスを通すことで、エリポンの登場にも左肩への激痛にも動揺を見せなかったが、
突然のキックをお見舞いされたため、流石に体勢を維持出来ず転んでしまった。

「アーリーちゃん気を付けて!今、小指を使われるところやった!」
「エリポンさん!……はいっ!!」

怪我人とは言え、エリポンが復活したことは連合軍にとって大きなプラスだ。
これでエリポン、マーチャン、アーリーの3人がかりでモモコを追い詰めることが出来る。

「イヒヒヒヒっ!叩き放題だよっ!!」
「くっ……」

地面を滅多叩きにするマーチャンの攻撃を転がりながら回避するモモコだったが、
その動きからは段々と余裕が感じられなくなってきた。
それもそうだ。避けたところでエリポンとアーリーの追撃が迫ってくるのだから息をつく暇も無いのである。
そして、もう1名の追加によりモモコはますます避けられなくなる。

「みんな!私も協力するよ!!」
「「ハルナン!」」

指示を出すだけで持ち場を動こうとしなかったハルナンがここにきて参戦してきた。
身を危険に晒すことになるが、それよりも攻め手が4人になることがより有利になると判断したのだ。
彼女の扱うフランベルジュは波打つ刃を持ち、少しかすっただけで血を流させる。
エリポンの打刀、マーチャンの木刀、アーリーのトンファーらとのコラボにより、モモコが苦戦することは必至だろうとハルナンは考えていた。
しかし、当のモモコはそうは思っていなかったようだ。

(うん、今だ……今こそ好機。)

四方を囲まれたモモコは、自分からマーチャンの元へと飛びかかった。
そして、ROCKにエロティックに抱き寄せられるかの如く、身体をくるりと回転させることでマーチャンの打撃を回避し、
相手の懐へと潜り込んで見せたのである。

「え?え?なに?」
「良かったー。この動きは学習してなかったのね。
 じゃあ、これも知らないよね?」
「!?」

モモコがピッタリくっついてきたかと思えば、次の瞬間、マーチャンは苦悶の表情で膝をついてしまった。
いつの間にやら腹から多量の血が流れ出ている。
誰がやったのか?モモコに決まっている。
どのような攻撃手段をとったのか?モモコのことだから暗器を使ったのだろう。
しかし、磁石と糸と小指だけでどうやってマーチャンにダメージを与えたというのか?

「は?……え?……」

ハルナンは現況の理解に苦しんでいた。
今までの材料だけでは真相に辿り着く事は難しい。
そうして狼狽えているハルナンを見て、エリポンとアーリーにまで動揺が伝播していく。
この場で冷静なのは、モモコただ1人。

「ハルナンって言ったっけ。あなた、大きな読み違いをしてるよ。」
「!?」
「その読み違いのせいで、あなた達はマーチャンという戦力を失うことになったの。」

そう言うとモモコはマーチャンのお腹を目掛けて、力強く磁石をぶん投げた。
至近距離から負傷箇所に石を投げられた経験のなかったマーチャンは、避けられずに直撃を受けて、悶絶してしまう。

「おかげで1番厄介な子を倒せたんだけどねっ!ハルナンありがとぉ〜!」


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