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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

904 ◆V9ncA8v9YI:2019/04/17(水) 08:40:54
ハルナンの指示と同時にマーチャンは走り出した。
待機命令にフラストレーションが溜まっていたので、やっとこの時が来たと喜んでいるようだ。
しかしモモコとは距離が少しばかり離れている。

「あのねぇ、そう易々と近づかせるワケないでしょ?」

モモコはエリポンを止めようとした時のように、糸を引っ張ることにより、とある仕掛けを作動させた。
それは目には見えないほど細い糸で組まれた網だ。
マーチャンの進行方向にセットすることで足止めを試みるが、
これはモモコには珍しく悪手だった。

「それ、もう覚えたよ。」

見えない網を知覚することは出来ないが、
同じようなシチュエーションならば先ほど見て覚えている。
学習能力の非常に高いマーチャンなので、すぐに対策をとることが可能だ。

「えいっ!!」

マーチャンは既に木刀に火をつけており、その木刀を前方に強く振ることで火の粉を飛ばしていく。
その火は自身の行動を阻害する網に燃え移り、一瞬にして燃えカスへと変えてしまう。

「ありゃ……糸だと相性最悪か……だったらこれならどう?」

ほんの少しだけ焦った顔を見せたモモコは、すぐに次の行動を取り始めた。
その行為は単純。超強力電磁石をマーチャンに投げるだけだった。
磁石の投球もカノンに散々やってみせたので、覚え済みのマーチャンは楽々回避してみせることだろう。
だが、マーチャンに出来るのはそこまでだ。
間髪入れずにひたすら投げ続けられれば、回避ばかりして前へと進むことが出来ない。
磁石を弾き飛ばそうにも、燃えかけの木刀を当てれば木刀の方が砕けてしまう。
となればマーチャンがモモコの元へ近づくのは不可能になるのだ。
確かに、マーチャン1人だけならそのような展開になっただろう。

「私が守ります!」

バシン!という音とともに磁石は地へと落ちていった。
そう。アーリー・ザマシランのトンファー捌きによってはたき落とされたのだ。
彼女が戦闘のモチベーションを取り戻し、持ち前のパワーが発揮されればこの程度は容易いのである。

「わ〜!アーリーちゃんすごーい!」
「いえいえ!さっきの炎も凄かったですよ〜!」
「じゃあ、2人で突撃しよっか!」
「はい!!」

糸はマーチャンに燃やされてしまう。
磁石はアーリーに落とされてしまう。
ここでモモコは大袈裟に頭を抱えて、分かりやすく困り始めた。

「ど、ど、どうしよう〜!?このままだと本当に接近されちゃうよ〜!」

明らかに人をおちょくっているような動作にもかかわらず、マーチャンとアーリー、そして指揮官のハルナンがおかしく思うことは無かった。
作戦が順調に行っていることに酔ってしまっているのかもしれない。

「予想通り!後は小指にだけ気をつけて!!」


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