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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

900 ◆V9ncA8v9YI:2019/01/11(金) 08:50:17
「よーいドン」を意味する言葉を呟いたかと思えば、エリポンはモモコ目掛けて駆け出していった。
それはただのダッシュだと言うのに、ハルナンにはフク・アパトゥーマ帝王の”フク・ダッシュ”以上の速度と勢いに感じられる。

「速い!エリポンさんにこんな走行術が?……」

エリポンは運動神経抜群なうえにあの筋力量なので足が速いこと自体は不思議では無いのだが、
周囲の者の意識をここまで置き去りにするレベルでは無かったはずだ。
ハルナンだけでなく、マーチャンやアーリーもエリポンのスタート時の動きを捉えられておらず、
やっと知覚出来た頃には既にトップスピードに到達していたことに驚いている。
まるで本当に時を操ったかのようだ。
そんな中、ターゲットとされているモモコだけはなんだかつまらなさそうな顔をしていた。

(必殺技ってその程度?)

モモコはこの現象の理屈をおおよそ掴んでいた。
要するに、エリポンは動きに緩急をつけていたのだ。
完全なる静止から一気に最高速度まで上げることで体感速度には大きなギャップが生じる。
更には動かない時間を呆れさせるくらいに長くとることで集中力を低下させ、急に動いたエリポンに咄嗟に対応できなくさせる狙いもあった。
こうした工夫を積み重ねた結果、エリポンが神速の如きスピードを得たと誤認させたのだ。

(この子はスポーツを戦闘に取り入れていると聴いてる。
 必殺技のモチーフはさしずめ徒競走っめとこかな?
 確かにはじめはビックリしたけど、それじゃあ私は殺せないよ。)

モモコは糸を手繰り寄せ、その糸の先にある罠を起動させた。
それは見えないくらいに細い糸で構築された網。
エリポンとモモコの間に人間1人を包み込むほどの網を展開していく。

(このまま捕縛してあげる。速く走れば走るほど網にかかるまでの時間が短くなるだけだよ。)


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