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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

9 ◆V9ncA8v9YI:2016/01/11(月) 01:19:36
「しょうがない、今日だけマリアもついてくることを許可します。」
「本当ですか!?マリア、とってもとっても嬉しいです!」
「ハルナンさん甘いなぁ……」

このまま喧嘩が長引いても埒があかないため、ハルナンは自分が折れることにした。
本来は誰彼構わず地下に入れるのは望ましいことではないのだが、
新人を一人加えたところで大きくは影響しないと判断したのである。

「さて、早くお食事を届けないとね……あら?」
「どうかしたんですか?」
「鍵が、開いている……」
「「え!?」」

サユの部屋へと続く扉が施錠されていないのは、かなりの一大事だった。
大したことないように思えるかもしれないが、これは場合によっては国際的な問題にも発展しうる緊急事態なのである。
詳しくは知らないマリアとアカネチンも緊迫した雰囲気を感じ取ったのか、途端に慌てだす。

「えっと、えっと、サユ様が外出しているとかじゃないんですか?……」
「この扉の鍵はサユ様も持ってるの。外出する時は必ず鍵をかけるはずよ。」
「鍵のかけ忘れは考えられないんですか?」
「ありえない。地下室の重要性を理解されているサユ様に限って、そんなミスはありえないわ。」
「うぅ……」

鍵の行方を議論するのも良いが、まず優先すべきはサユの安否だ。
ハルナン、マリア、アカネチンは覚悟を決めて扉を開こうとする。
ところが扉を開けようとしたその時、思いもしなかった出来事が起こった。

「わっ!!」「誰!?」

なんと扉の中から謎の人物が飛び出してきたのだ。
いや、正確には「謎の人物」と「謎の馬」。
馬に騎乗した女性が突如現れたのである。
そして更に信じがたいことに、そいつは気を失っていると思わしき黒髪女性を脇に抱えていた。
その黒髪女性のことは誰もが知っている。
マリアは思わず大声でその名を叫んでしまう。

「サユ様!!」

謎の騎馬兵が運ぶのはモーニング帝国の先代の王、サユだった。
その緊迫した様子からはとても乗馬遊びをしているようには見えない。
「人さらいだ。」と、マリアもアカネチンもすぐに感じ取ることが出来た。

「サユ様を放せ!」

人さらいを倒すため、サユを助けるため、マリアは両手剣を握って騎馬兵に斬りかかった。
この状況ならば帝国剣士は誰もがそうするべきかもしれない。
しかしアカネチンは瞬時に動くことが出来なかった。
人さらいのことを知っていたため、恐怖で身体が凍りついてしまったのである。

「あなたは……!!」


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