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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

89 ◆V9ncA8v9YI:2016/02/24(水) 08:55:10
趣味と文化の国、アンジュ王国。
ここではスポーツや演劇などの興行が非常に盛んであり、人々は心身ともに豊かに暮らしていた。
この国が趣味国家として発展してきたのは、やはり番長らの活躍が大きいだろう。
国を護る戦士である7番長は、戦い以外にも興行を盛り上げる役割を担っていて
一人一人がそれぞれの分野でトッププレーヤーとしても活躍していたのだ。
例えば運動番長タケ・ガキダナーはろくに野球のルールを知らないくせにホームランを量産しまくるし、
文化番長メイ・オールウェイズ・コーダーが座長を務める舞台は連日ソールドアウトの大盛況だ。
勉強番長カナナン・サイタチープの講演会も(たまに話がとんでもない方向へ脱線するが)聞きたがる人が多いし、
帰宅番長リナプー・コワオールドがブリーダー兼トリマーとして育てた犬は本人以上に人気がある。
そして、特に活躍が目覚ましいのは先日に舎弟から番長へと昇格した3名の担当する分野だろう。
音楽番長が主催するロックフェスは元来盛り上がるのが好きなアンジュの国民たちを満足させ、
給食番長の作り上げる見たこともないような世界の料理は多くの人々の舌を肥やした。
理科番長は本来の目的である石鹸の普及自体はなかなか上手くいっていないようだが
「決して口を開かぬ美女」として、彼女をモデルにした絵画が爆売れしているらしい。
何故に理科番長が一言も喋らないのか、その理由は番長たちしか知らない。

番長らは忙しい日々を過ごしているため、チームとして集まる機会は少なかった。
この日のようにタケ・ガキダナーと、音楽番長ムロタン・クロコ・コロコが鉢合わせるのも非常に珍しいことなのだ。

「お、ムロタン!」
「タケさん。こんばんワニ。」
「わに?まぁいいや、ムロタンの担当する音楽界、結構盛り上がってるみたいじゃん!
 私も結構好きだよ!ロックっていうの?ベンベンベンベン。」

タケはノリノリでエアギターを奏で始めた。
他の国民と同様に、彼女のDNAにも音楽の記憶が刻まれているのだろう。
そんな楽しげなタケに対して、ムロタンは浮かない表情をしていた。

「ありがとうございます。でもな〜やっぱり戦士なんだからもっと戦いたいんですよね〜」
「え?国防とか頑張ってるでしょ。3人だけで国を守るって凄いよ。」
「そういうのじゃないんですよ。」
「???」
「例えば、"モーニング帝国剣士の権力争いに巻き込まれる"ような……そんな戦いがしたいんですよ。」
「……ムロタン、その考えは捨てな。」
「!?」
「ははは、平和が一番ってこと。 今を楽しもうよ!今度ライブに誘ってね!」
「……考えておきます。」


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