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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部
877
:
◆V9ncA8v9YI
:2018/03/09(金) 02:33:27
●場面3 : 武道館南口 「チーム下克上 vs クマイチャン」
手負いの巨人、クマイチャンが鋭い目つきで番長たちを睨みつけているが、
その恐ろしさも、プレッシャーも、今は半減以下に感じられた。
何故か?それは今この場にアンジュ王国の最高戦力が勢ぞろいしているからだ。
既に前線を退いた表番長アヤチョと裏番長マロや、
番長候補として修業を積んでいる"舎弟"2名を欠いてはいるものの、
先輩番長カナナン、タケ、リナプー、メイと
後輩番長ムロタン、マホ、リカコの合計7人の力を合わせればどんな強敵にだって立ち向かうことが出来る。
「さっきまでは4人だったけどな、今は7人や……戦術の幅もぐっと広がる。」
2階から落とされたせいで脚を負傷したカナナンだったが、
不安そうな顔をまったく見せていないことからも、自身の言葉が嘘ではないことを物語っている。
「カナナン、ここは当然アレでいくよな?」
「せやなタケちゃん、フォーメーション"風林火山"を見せたれや!!」
「おう!」
カナナンの指示と同時に運動番長タケ・ガキダナーが走り出した。
"疾きこと風のごとく"
盗塁王のような脚力でクマイチャンの元に駆け寄っては、
大袈裟に身体を捻ったトルネード投法で豪速球をブン投げる。
これには流石のクマイチャンも回避することが出来ず、腹で受けてしまう。
「う゛っ……」
痛みと屈辱のせいで更にピキピキと怒ったクマイチャンは、自慢の長刀をタケへと振り下ろそうとした。
破壊力満点の斬撃をまともに喰らえば当然即死なわけだが、
そうはならないための指示をカナナンは既に出し終えていた。
「準備は出来てるな?行け!リカコ!」
「\(^o^)/はーーい\(^o^)/」
無数の細かなシャボン玉が大量発生し、クマイチャンの視界を一気に奪っていく。
"徐かなること林のごとく"
理科番長リカコ・シッツレイは、タケが攻撃を仕掛けている裏で石鹸水を黙々とかき混ぜることで、
クマイチャンの反撃をこのタイミングで妨害するためのシャボンを準備していたのだ。
隙間なく敷き詰められたシャボン玉は、入り組んだ木々の枝のように、すべてを隠してしまう。
こんな状況では刀をターゲットに向けて真っすぐ振るうことは叶わず、
何かとてつもなく固いものに阻まる。
3m級の長刀がぶつかっても破壊されないものはそうそう存在しない。
クマイチャンはすぐに、ムロタンの透明盾に防がれたことに気づいた。
「またか!さっきからそればっかり!」
「あれ?飽きちゃいました?それじゃあ魅せ方を変えましょうか。
防御だけじゃ芸が無いですもんね。熱い私の攻め、魅せてあげます。」
音楽番長ムロタン・クロコ・コロコの透明盾は軽そうに見えて、その実は重量感たっぷり。
"侵掠すること火のごとく"
盾を持つ手に力を入れては、押して押して押しまくる。
このヒいてしまうような押しの強さが尋常ではないことは、
盾と剣の衝突によって、お互いの肌を黒く焦がすような火花がジリジリ、ジリリと散っている事からも分かる。
シャボンのせいでまだ視力がハッキリしないクマイチャンは、
下方向から来る打撃の猛攻に手間取っていた。
「痛っ……でも、こんな攻撃で参る私じゃないからね」
「分かってますよ、だからこっちも総大将に出てもらいます。」
「えっ?」
その時、無数のシャボン玉を全て吹き飛ばす程の圧が、とある人物から発せられた。
"動かざること山のごとく"
その人はアンジュ王国の象徴。雄大にドッシリと構えている。
木彫りの像のように美しいその女性は、ただそこに立っているだけで存在感を示していた。
(あれは、噂に聞いてたアンジュのアヤチョ王?……どうしてここに?……)
もともと目のあまり良くないクマイチャンには、
その人が確かにアヤチョ王に見えていた。
いや、そう見せられていたのだ。
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