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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

873 ◆V9ncA8v9YI:2018/03/04(日) 15:19:24
「盗むのはお宝やハートじゃない、技術(スキル)だよ。」
「あー、はい、分かりました。 食卓の騎士の技を目で盗むってことですね。」

ハルの厨二病にある程度の理解を示しているオダは、隣でキョトンとしているトモに要約することにした。
つまりはミヤビとオカールの戦いをしっかりと観察し、
自分達の成長に繋がるような技術があれば積極的に取り入れよう、という事なのだ。
彼女たちはこれまでの密度濃いツアーのおかげで戦士として戦う基礎がしっかりと身についている。
昨日、マイミと戦った時のような成長力があれば、短時間でさらなる飛躍を見せる事だって不可能では無いのだ。

(えっと、言いたいことは分かったけど「怪盗チーム」とか「セクシーキャット」とかって何?)
(そこは突っ込まないであげて!ハルさんあれで結構真剣だから!)
(はいはい……まぁ、私も"おバカねこバカ"だから、このチーム名は別に嫌じゃないしね。)

しかし大義があるとは言え今は真剣勝負の真っ最中。
そんな時に観察している暇なんか有るのか、と思うかもしれない。
確かに一刻も早くミヤビを撃破せねばならない状況であれば、全力で攻撃に集中する必要があるだろう。
だが、チームオカールの本来の役割は陽動だ。
チームダンス部が裏口から奇襲を仕掛けることを悟らせないように、
そして、勘付いたミヤビが裏口に向かうことを防ぐためにここで足止めすることが何よりも大事。
つまりは戦いが長びく分には全く問題ないのである。
とは言えハル、オダ、トモの3人がただただ突っ立っていて良い訳がない。
地面をゴロゴロ転がるオカールに堕祖(だそ)の4連撃目を振り下ろそうとするミヤビの目に向かって、
オダが反射させた太陽光を送り込む。

「くっ……またこれか……」
「いいねオダ! 後はハルに任せて!!」

目を焼かれて一時的に視力を失ったミヤビは格好の的に見える。
怪盗として技術を盗むことも大事だが、やはり決めれるところはカッコよく決めたいので、
ハルはミヤビの生身の部分、腹と背に竹刀をぶつけようとした。
二ヶ所への同時攻撃を実現する「再殺歌劇」はハルの得意とする必殺技。
これで大ダメージを与える目論見だったが……

「まだ殺気の乗せ方が下手だね……この程度なら、見なくても防げるよ。」
「えっ?……ハルの竹刀を素手で!?……」

攻撃の意思が強過ぎるあまり、ハルの殺気はダダ漏れになっていた。
これでは達人級の敵にはすぐに察知されて、
今回のように目をつぶったミヤビに簡単にキャッチされてしまう。
動揺したハルはミヤビの蹴りが迫っていることにも気づけず、軽く3,4メートルは吹っ飛ばされる。

(い、痛い……やっぱりハルの技は食卓の騎士には通用しないのか?……)

ハルは昨日の戦いでマイミにも「再殺歌劇」が通用しなかったことを気にしていた。
他のメンバーに先駆けて必殺技を習得できたのは良かったのだが、
最近になってそのパワー不足に課題を感じ始めている。
強者の技を盗んで「再殺歌劇」を強化すること、それもハルの急務と言えるだろう。


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