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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

851 ◆V9ncA8v9YI:2017/11/05(日) 14:54:46
アユミンの身軽さなら二階から落ちてもリカバリーできるはず。
だが今の彼女は二回も溺れているのだ。 そんな状態でくるくるアクロバットを決めれる者がどこにいるだろうか。
受け身を取れず地面に落下したであろうことは想像に難くない。

「アユミン……!」

同士の戦線離脱を間近で見たサヤシは当然のようにショックを受けていた。
それでもここで呆然として良いわけがない。 気を病む間も無く居合刀を構えてシミハムへと斬りかかる。
リシャコの攻撃を受けた後なので呼吸はひどく困難だが、気合と根性で足を動かしていく。

(消える前に斬る!必勝法はそれしかないじゃろ!)

敵を間合いにさえ入れてしまえばサヤシの斬撃は速い。 食卓の騎士だろうと深くまで刃を入れれば致命傷になるに違いない。
しかし、間合いを重要視する点はシミハムだって同じ。
相手のリーチ以上、かつ、己のリーチ以下の距離を見極めて、そこにサヤシが到達した時点で棍を肩に叩きつける。

「ぐっ……」

この時のコツは打撃音を大袈裟に出すことだ。これでチームダンス部らの注意を引くことが出来る。
それはつまりリシャコがフリーになるということ。
無のオーラは注目を浴びなくなった彼女の存在感を無条件に消失させていく。
シミハムのタッグ戦はこのサイクルの繰り返し。
これを打ち破れない限りはシミハムの作ったセットリストに沿ってダンスし続ける続けるしかないのだ。
だが、ここでその予定調和にアドリブを加えてやろうと考える者が現れる。
その名はカリン。キュート戦士団長マイミに最後まで抗った女だ。
ベリーズ戦士団長シミハムを崩すキッカケもこのカリンが作り出す。

(忘れちゃう……だめ、忘れる前にやるべきことをやるの! 私の"早送りスタート"で!!)

カリンは両手に釵を持って、自身の動きを超加速をせる必殺技「早送りスタート」を発動させた。
とは言ってもシミハムやリシャコにダメージを与えるために加速したわけではない。
攻撃の矛先は自分自身。 それもリシャコに貫かれて傷になっている胸を釵で何十回も斬りつけたのだ。
そんな自殺行為をするものなのだから周りは注目せざるを得なかった。シミハムやリシャコだけでなく、味方のナカサキ、マイマイ、サヤシだって奇異の目でカリンを見ている。

「カリン……いったい何をしてるんじゃ?……」

カリンはサイボーグと呼ばれてはいるが身体は当然生身。 リシャコにやられた時以上に痛々しく血をダラダラと流している。
それでもこの行為には意味があった。 これからの功績を考えれば服ごと開けられた穴なんて些細な代償だと考えているのだ。

(胸元のあいた服を着た私の、サインに気づいて!!)


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