したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

844 ◆V9ncA8v9YI:2017/10/30(月) 13:07:43
ナカサキとマイマイに手が残されていないという訳ではなかった。
リシャコはカウンターこそ鋭いが、通常の攻撃は反応出来ないほどではない。
なので防戦を意識して戦えば隙を見出すことが可能なのだ。
しかし、チームダンス部にはそんな悠長に構えている暇はなかった。 この状況を速攻で切り抜けてマーサー王とサユを救い出さねばならない。
その思いが焦りを生んだのか、サヤシとサユキ、そしてカリンの3人が同時にリシャコに飛びかかっていく。

「ちょっ!何やってるの!!」

ナカサキが声を掛けようとも3人は止まらなかった。
ハタからは無策に見えるが彼女らにも考えがある。リシャコの無敵の特性の裏をかく起死回生の一手を見出したのだ。
サヤシ、サユキ、カリンは単体では食卓の騎士には敵わないものの、一流の戦士であることには疑いようがない事実。
すぐに対応を考えて、咄嗟のアイコンタクトで意識を合わせるくらいは難なくやってのけた。
そして、寸分違わぬ程の完全に一致したタイミングでリシャコに殴りかかることだって彼女らには可能なのだ。

(ウチら3人で同時に攻撃を仕掛ける!)
(こうすれば誰にカウンターを当てれば良いのか分からなくなるでしょ!)
(もしもカウンター出来たとしても貰うのは一人だけ……残り二人からの攻撃は避けられない!)

波状攻撃ではなく、全くの同時攻撃。これこそがリシャコを喰らう最善の策だと考えていた。
だが、それはあまりにもリシャコを甘く見すぎている。

「ふぅ……無駄だと思うよ。」

そう言葉を残した直後、リシャコは修羅へと変貌を遂げる。
リシャコの獲物は長い槍。 その槍による突きだしでまずは右側から来るサヤシの胸に穴を開けた。
その次は背後から迫るカリン目掛けてノンストップで二度の突きを放った。
最後は上空。 一瞬にして槍を引き寄せて上から落ちて来るサユキの肺にも血液を送り込む。
対処にかかった時間はそれぞれ0.1秒。合計して0.3秒。
同時に攻撃を仕掛ける案自体は悪くない。しかし、それを有効打に変えるには条件がある。
3人程度ではなく100人がかりで攻めること。 あるいは、槍撃を10発はもらっても無事でいられる者が攻めること。
そのどちらかを満たせない限りはリシャコの時間をほんの数秒も奪うことは出来ないだろう。

「だから言ったでしょ、無駄だって。」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板