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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

834 ◆V9ncA8v9YI:2017/10/18(水) 12:53:04
ハーチンとの一戦を終えたチサキは1人歩いていた。
勝利したとは言っても大怪我人なので満足に歩けるはずがないのだが、
自分たちの師であるモモコと交わした2つの約束を守るためにチサキは足を止めなかった。
その約束とは「どんな事があっても暗器を返しに来ること」、そして「どんな事があっても帰還してくること」の二点だ。
昨日、暗器をレンタルしたときに、なんらかの理由で別れて戦う際のルールとして定めていたのである。
どんな事があっても……それはつまり、大怪我を負ったとしても帰ってこなくてはならない事を意味している。
更には敗北したとしても、動けない状態にあったとしても、このツグナガ憲法を破ることは決して許されない。
この約束にどんな意味があるのかは正直言って分からなかったが、必ず守らなくてはならない。
だからチサキは怪我をおして他のみんなの所にゆっくりながらも進もうとしている。

(みんな……無事、だよね?)

チサキは心配していた。
カントリーの仲間が負けることはないと固く信じているのだが、
自分が相手したハーチンは想像していたよりずっとずっと強かった。
それと同等の力を持つと推測できる新人剣士とガチンコでやり合ったら、負けないにしても動けない状態には追いやられてるかもしれないと思ったのである。
そんなチサキが、リサが得意とするフィールドである木陰地帯にたどり着いた。
その時の反応は言うまでもなく絶句。
リサ・ロードリソースが大量の血を流して目を閉じている様を見て、チサキはひどく動揺してしまう。

(嘘……リサちゃん負けたの?……敵は!?敵はどこに……!!)

辺りを見回したがそこには誰もいない。いるのは何百何千ものカエルばかり。
その敵がリサを倒してさっさと他の場所へ向かったというのは想像に難くなかった。
これでチサキは気づく。 カントリーガールズは自分以外全敗の可能性があることを理解したのだ。
(※実際はマナカが勝利しているが、今のチサキはそれを知り得ない。)
となればこれからチサキは他の仲間のいる場所にも訪ねて、モモコとの約束を果たすためにレンタル暗器と仲間を全て運ばなくてはならない。
チサキの借りた風壁発生器、マイの借りた美脚シークレットブーツ、リサの借りたビンタ強化金属はなんとか持っていく事が出来るかもしれないが、
マナカの借りた超強力電磁石や、リサ、マナカ、マイらはチサキが1人で運ぶのは骨が折れる。
どうすれば良いのか狼狽したところで、カエル達がリサに集まり始めた。
そしてなんと、彼らの力を集結させてリサをひょいと持ち上げたのである。

「えっ?……助けてくれるの?」

普段はリサの指示しか聞かないカエル達が協力してくれるというのだからチサキは驚いた。
実はこれもリサの指示。
リサ・ロードリソースが気を失う間際、チサキが考えたのと同様にカントリー全滅の可能性に気付き、瞬時にカエルに命令を出していたのである。
その内容は「自分たちに被害が及ばないレベルでマナカ、マイ、チサキを助ける」というもの。
運搬を手伝う程度であれば命令の範疇内だ。

「ありがとう、それじゃあ次はマイちゃんのところに行こうか。 マイちゃんは強いから、もう敵を倒しちゃってるかもしれないけど。」


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