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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部
821
:
◆V9ncA8v9YI
:2017/10/11(水) 20:53:43
ウシガエルは重量感のある体当たりを何発もノナカの腹に喰らわせていた。
とっくに血反吐を吐いているのだがそれは外には見えない。ノナカが全身をカエル群に覆われているからだ。
苦悶の叫びを何度もあげているのだがそれも外には聞こえない。カエル達が大声で鳴いているからだ。
視力どころか聴力さえも役に立たない環境でノナカが何も出来ずにいるのを見て、リサは安堵の表情を浮かべた。
一時期はどうなることかと思ったがこれでミッション遂行。 カエルの前に人は無力なのだ。
そう思っていたところでリサはある異変に気付く。 カエルの集まりの中からノナカの手が飛び出て、何か光るものを持ってるように見える。
(あの光はなに?………………う、嘘でしょ!?カエルさん達!今すぐそいつから離れて!!)
リサは急いで指笛を鳴らしノナカに集まるカエル群を散らした。 ゲコゲコ五月蝿い状況なので笛の音も普段の何倍も大きくなっている。
そしてカエルが命令を聞くより先にリサはノナカの元に走り、掌の金属で光体を思いっきりはたき落とす。
これはノナカが奥の手として用意していた爆竹。 音を司る忍者として「無音」で斬れる忍刀以外に「爆音」を発する爆竹も扱えるのである。
爆竹に殺傷能力は無いが、カエルのような小動物を焼き尽くす程度の威力は備えている。ノナカはこれでカエル群を吹っ飛ばそうと思ったのだ。
ところがリサ本人がカエルに代わって爆竹による破裂炸裂の直撃を浴びたので、想定外の大火傷を負わせることが出来た。
「熱い……」
思わぬ損害だったがリサはめげない。 焦げた指にガリッと噛みつき、さらなる指示を出す。 出し惜しみなしの最凶の形態になろうとしている。
「絶対絶対許さない! 今、私は猛毒を持つカエルさん達を身に纏ったの。斬撃でも爆撃でも当ててみなさい、体液があなたにかかってジ・エンドなんだからね!!
それに、どうせ見えてないようだから教えてあげるけどあなたの足下にも同じ毒ガエルさん達がビッシリと敷き詰められてる……どういうことか分かるよねっ!?あなた、もうそこから一歩も動けないよ!」
リサ・ロードリソースの怒声にノナカはゾクッとした。 怒気にビビったワケじゃない。毒がもたらす危険なアディクションに肝を冷やしたのだ。
ノナカの聴覚は確かに周囲のカエルの呼吸を捉えている。 目を開けていないので色で判別出来ないが、以前城の前でエリポンとハルナンにも同じことをしたのだからハッタリではないのだろう。
だが違和感がある。 リサの説明はあまりにも懇切丁寧。くどいくらいに毒ガエルの存在を強調している。
ほっとけばノナカを毒で倒せるというのに何故わざわざ正直に話すのか?……ハッタリ以外の理由で何がある?
「あ、そういうことか……見えてきた……」
これまでのリサの行動からノナカは暗闇の中で全てを理解した。そして、勝利のための光明を見つけることが出来た。
まさに「頭の中にイメージさえ描ければ摑み取れそうさ」と言った感じだ。
「見えた?……目を閉じてるあなたに何が見えると言うの?……」
「"My Vision"」
アカネチンのいる平原、現在の天気は磁石の雨あられ。
マナカ・ビッグハッピーは更に多くのカラスを呼び寄せて、次々とモモコの電磁石を地上へと落としていっていた。
"眼"でマナカとカラス、そして石の動きを見抜いてるおかげでアカネチンはその殆どを避けていたが、
どうしても何個かの直撃は喰らってしまう。 背中は痛々しくも血が滲んでいる。
それでも、アカネチンは動きを止めなかった。 マナカからマリアがピンチと聞いたその時から一貫して奇妙な行動を取り続けている。
(あの子どうしちゃったの?……この絶望的な状況下でヘンになっちゃったのかな。)
マナカは計算が大の得意。そんなマナカでも敵の行為の真意を読み取ることは出来なかった。
アカネチンは腰を落として低い姿勢をとったかと思えば、愛用する印刀「若葉」の先で地面をガリガリと削り出したのだ。
そして何やら大地に文字でも描くように線を引き続けている。
でもそれは文字なんかじゃない。 大きな円を描いたかと思えば、その中にまた円を、そしてまた円を描いている。 意味がわからない。
「まるで大きな的ね。 中心に向かって石を投げれば良いのかな?」
何重にも重なる円の中心にアカネチンが来たタイミングで、マナカは超強力電磁石をぶん投げた。
球技は得意な方ではないがその時の投球はなかなか上手くいき、的のど真ん中にいるアカネチンの脳天にヒットする。
この時のマナカは心が踊った。 アカネチンが倒れるのを見て解放感さえ感じていた。
なかなかしぶとかったが結局ノーダメージで完全勝利。 これ以上ない結果と言って良いだろう。
そう、この時点までは。
「スッピンのあなたで、勝負できる?」
「え?……何か言った?」
事態は急転直下。 天空の支配者マナカは一気に地へと堕とされる。
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