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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

813チサキとマイは夜更新します ◆V9ncA8v9YI:2017/10/05(木) 12:58:49
カントリーの4人が散り散りになった今、モモコはたった1人で連合軍6人を相手取る形になっている。
アイリが相変わらず地面にへたり込んでたり、カノンが磁石の山に下敷きになってる事を考えると今すぐ6人全員でかかれる訳ではないが、
少しばかり話が上手く進みすぎていることをハルナンは懸念していた。

「即決で決めちゃいましたね。 そんなに自分の実力と、カントリーの子たちの力を信頼してるんですか。」
「まーね。私の強さのことは言うまでもないし、それに、あの子たちには私の暗器を一つずつ貸してるの。 4勝0敗もあり得ちゃうかもなぁ。」

モモコは7つの暗器を自在に操る戦法を得意とするのだが、現在はその半数以上を後輩たちに託していた。
例えばマナカには「超強力電磁石」を預けている。彼女にはこの暗器がピッタリだとモモコが判断したのである。
複数羽のカラスを身に纏ったマナカは武道館のてっぺんと同じくらいの高さまで飛び上がり、そこから磁石を次々と落としていった。

「わっ!!危ない!」

この高さからならアカネチンは反撃しようがない。
しかも、次々とカラスの口から石を供給されるのでマナカはいくらでも空から投下できる。
最初のうちはアカネチンも眼の力で石の軌道を先読みして回避していたが
地に転がる磁石が増えるにつれて引力と斥力の関係が複雑化し、落下する石の動きが急変するため避けきれなくなってしまう。

「痛い!……うぅ……手にぶつけた……」
「互いにくっ付き合う磁石ってマナカとドゥー様みたいだと思わない? 嗚呼、まさに恋はマグネット。」
「うるさい!」


一方、木陰のノナカは目をつぶったまま周囲の音を敏感に感じ取っていた。
いくつもある小さな呼吸音の中に、一つだけ大きな呼吸音が混じっている。
それはヒトの呼吸。つまり倒すべき敵リサ・ロードリソースはそこにいるのだ。
目が見えなくても場所さえ分かれば斬りかかることが出来る。ノナカは忍者の俊敏さでそこに一瞬で辿り着いた。
リサの身体からはカエルの呼吸は聞こえない。即ちカエルを纏ったりはしていないと言うこと。
個人の戦闘力は並以下のリサに肉弾戦は不可能なはず、そう考えてノナカは刃を突き刺そうとした。
……が、その瞬間ノナカの頰からパン!と言う大きな音が鳴り出す。
音源はノナカではない。リサに思いっきりビンタを喰らったことで破裂音が響いたのだ。

「What's !?」

ただのビンタならノナカはここまで驚きはしない。
驚くべきは音の次にやってきた激痛だ。奥歯が抜けてしまいそうなくらいに痛い。
おもわず目を開けそうになってしまった程である。

「見えないよね〜? 教えてあげよっか、私の手は金属が貼り付けてあるの。
 これでほっぺたをパンって叩いたんだよね。もっとたたいてあげようか? パン・パン・パン、パン・パン・パパンってね。」

これも言うまでもなくモモコからレンタルした暗器の一つだ。
手のひらに薄くて軽い金属の板をペタリと貼り付けることでビンタの威力を強化しているのである。
これがあればリサにも接近戦が可能になる。
そして、そんなリサが畳み込むなら今がチャンス。
今日一番のリズムでノナカの両頬を往復ビンタする。

「パパパパン!パパパパン!パパパパパパパパパパン!」


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