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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

811 ◆V9ncA8v9YI:2017/10/04(水) 13:38:58
「ハァ……ハァ……急がなきゃ……」

チサキは武道館の周囲をぐるりと囲んでいる、お堀に向かって走っていた。
ここらで水場と言えば唯一そこだけ。魚類を自在に操るチサキはお堀にさえ辿り着けば優位に立てるのだ。
ローラースケート使いのハーチンに追われて恐怖していたチサキは、
目的地に到着したと思えばすぐにお堀へと飛び込んだ。一刻も早く水中へ入りたかったのである。
しかしここで酷な事が起きる。 水に飛び込んだはずのチサキは何か硬いものに顔面をビタンと強打する。

「ぎゃ!」

チサキの飛び込みを阻んだものは何か?……答えは「氷」だ。
今の季節は3月。暖かくなり始めたとは言えまだ寒い。
アリアケの波打つ海と違って、この武道館のお堀の水は静かに留まっている。 なのですっかり氷が張っていたのだ。
これでは水中に入ってお魚に味方してもらうことが出来ない。
いや、それより深刻なのは……

「ははははは!笑いが止まらんな! 氷の張ったスケートリンクはウチの独壇場やで!」
「嫌ぁあああああああ!!」

水の状態を自分にとって都合の良い方に持っていくのはどちらになるのだろうか。
ハーチンとチサキの勝負は、水をより制した者が勝利する。



リサ・ロードリソースは木々の茂った木陰地帯に逃走していた。
その理由はもちろんカエルのため。カエルがより活発に動ける条件がここには揃っている。

「まぁ、こんなところに来なくても勝てるんだけどね。 ノナカちゃんだっけ?……あなた、前にカエルちゃん達の前で何も出来てなかったでしょ。」

リサはモーニング帝国城でサユをさらった時のことを言っていた。
その時にカエルの群れを見て平気そうだったのはエリポンとハルナン、そしてマーチャンくらいだった。
ノナカを含む他のメンバーはあまりの気味の悪さに震え上がっていたのである。
だが、ノナカだって無策でリサを戦闘相手に選んだわけではない。

「確かにカエルに囲まれるのはHorrorですね。 見た目が、その、言ったら申し訳ないけど……」
「気持ち悪いんでしょ? 別にいいよ。この可愛さはわかる人にしか分からないし。」
「Yes、そうです。 だから私は見ないで戦うことにします!」
「!?」

敵を前にしてノナカは目を完全につぶってしまった。
本来ならばあり得ない行為だが、ノナカの耳の良さをもってすればこの状態でも戦えるかもしれない。
そしてノナカは更なる能力……妄想力を発揮する!

「Wao! カエルちゃん達がとってもfancyな見た目になりました!」
「えっ?……」

ノナカは持ち前の妄想力で、カエルのビジュアルを自身の画風通りの姿に変えてしまった。
他人にとっては珍妙なキャラクターに見えるが、ノナカにはこれが可愛く思えるのである。
ノナカとリサの勝負は、己の画力をよりアピールした者が勝利する。


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