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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

801 ◆V9ncA8v9YI:2017/09/29(金) 13:04:29
●場面1 : 武道館東口 「チームダンス部 vs 扉」

アユミンの努力は実を結び、武道館の扉を破壊した。
そう、確かに壊したのだが……その扉の先にあるモノを見て一同は絶望してしまう。

「こんなの……あんまりだよ……」

石の壁。それもかなり巨大な石壁が行く手を阻むように設置されていたのだ。
扉の造りと比べると新しく見えるのでおそらくはベリーズの誰かが置いたのだろうが、誰の仕業かはこの際関係ない。
考えるべきことはただ1つ。「どうやってこの壁を壊すか?」だ。
まず思い浮かんだのは扉破壊の貢献者であるアユミンとナカサキだ。 ところが、貢献しすぎたせいで2人とも疲弊しているようである。

「ハァ……ハァ……すいません、私は……もう少し休まないと……」
「……ごめん、私も連発は厳しい。」

完全に息が切れているアユミンと、あまりの高負荷で血管を切らし腕から血を流すナカサキを見たら、これ以上頑張れとは頼めなかった。
二人ともある程度インターバルを置けばもう一度必殺技を出せるのかもしれないが、奇襲を目的とするチームダンス部にはそれを待つ暇は無い。
カリンが自身を早送りして壁に立ち向かおうとしたが、すぐにサユキが制した。
カリンの必殺技は身体に負担をかけすぎる。ここぞと言うときまで温存しておきたい。

「だからさサヤシ、私たちがやるしかないでしょ。」
「そうじゃなサユキ。 もう一秒も無駄に出来ん。すぐに取り掛かろう。」


●場面2 : 武道館西口 「チーム河童 vs カントリーガールズ」

エリポンとマーチャン、 そしてアーリーは群がる動物たち相手に体力を消耗しつつあり、
完全防備で対抗せんとしたカノンはモモコの電磁石の山に押し潰されている。
この状況を突きつけられたアイリは自身をとても不甲斐なく感じていた。
体調の著しく悪化しているアイリには「棒術で戦う」「殺気を放つ」「眼で弱点を見抜く」の3つを同時に行使することは非常に難しく、
せいぜいこのうちのどれか1つを選ぶので精一杯だった。
エリポン、マーチャン、アーリーの3人を動物群から救助するだけなら簡単だ。雷のような殺気のオーラを振りまけば良い。
そうすればカエルとカラス、そしてリサやマナカらカントリーガールズを無効化出来るので、状況を打破出来るだろう。
だが、その後のモモコの対応はどうすれば良いのか?
ベリーズの中では純粋な身体能力が低いとはいえ、若手たちがサポートなしで楽に倒せる相手では決してない。
それにモモコのことだから平気な顔でまだまだ罠を仕掛けているはず。 本当にここで「殺気」というカードを選択しても良いのか?
そうこう悩んでいるうちにエリポンやアーリー達はどんどん疲弊していっている。

(どうすれば良いの!?何を選べば正解だと言うの?……)


●場面3 : 武道館南口 「チーム下克上 vs クマイチャン」

二階から落ちた衝撃で、カナナンの脚は完全に折れていた。こんな状態では上半身を動かすのがやっとだ。
しかしクマイチャンはそんな事も御構い無しに攻め手を緩めない。
長刀を思いっきり地面に叩きつけて、文字通り地を割ってしまったのである。

「ぬああああああっ!!」

地割れを起こすなんて規格外にも程がある。
こうして生じた亀裂にハマったら、どれほどの距離だけ落下してしまうのだろうか?
場合によっては二階から落ちるよりダメージを負うことになるのかもしれない。

「カナナン!ほら行くよ!」

身動きの取れないカナナンをリナプーが急いで背負った。
とは言えリナプーは力の強い方の戦士ではない。人を一人背負っただけで著しく移動速度が低下する。
しかも地割れのせいで足下は非常に歩き難くなっている。 番長らの機動力の低下は避けられないだろう。
そんなリナプーとカナナンに対してクマイチャンは容赦なく刀を振り下ろした。
超高度から繰り出される斬撃の破壊力は一撃必殺級。
番長たちがこれに耐えるには防御力が不足しているため、必死で逃げるしか回避策は無かった。
なんとかメイがサユキ物真似の飛び蹴りをクマイチャンの手首に当てることで斬撃の角度を反らしたものの、
クリーンヒットしたと言うのにクマイチャンは痛がる顔1つしなかった。 ほとんど効いていない証拠だ。
ここまでの戦いで番長たちは痛感する。 自分たちには「機動力」と「防御力」、そして「攻撃力」が絶対的に足りていないのである。
この状況でどうやって怪物に勝つのか?どんな策を講じれば巨人に勝てるのか?
考えがまとまらぬうちに最若手のリカコが亀裂に躓き、そこを目掛けて自称176cmの位置からなる振り下ろしがノータイムで襲いかかってきた。

「リカコ!!避けて!!」

喰らえばもちろん即死。 それに耐える防御力も、回避するための機動力も、リカコには備わっていない。


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