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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

80 ◆V9ncA8v9YI:2016/02/19(金) 07:15:11
「リサちゃんおかえり〜」
「はぁ〜乗り切った〜」

リサは「アジト」へと戻る馬の上でグッタリとしていた。
これまで何度もヒヤリとさせられたので精神的にかなり疲労しているのである。
そんな大役を成し遂げたリサを仲間たちは賞賛しており、
一派の仲では最年少であるマイ・セロリサラサ・オゼキングもその例外ではなかった。

「リサちゃん本当に凄かったよね!おかげでみんな無事に逃げることが出来たよ。
 まぁ、マイとリサちゃんは跳べるし、マナカちゃんも飛べるから
 ツルツルの地面なんてなんとも思ってなかったんだけどね。
 モモち先輩に合わせてあげたんですよ。みんな。」

彼女らはみなモモコの弟子にあたるワケだが、盲目的に従うという関係性ではなかった。
特にこのマイは、教育とは言え法外なルールを課すモモコを敵視さえしている。
そのためリサを持ち上げつつモモコを非難したのだ。
もっとも、モモコだって10歳年下の後輩に負けてはいない。

「あら〜そんなこと言っちゃっていいのかな〜?」
「なんですか?またお菓子禁止したら怒りますよ。」
「ううん、さっきのマイちゃんの発言を聞いてチサキちゃんはどう思うかなーって。」
「?」

モモコが指し示したチサキ・ココロコ・レッドミミーの様子が何やらおかしい。
いつものように耳を真っ赤にしながらも、頬をぷくっと膨らませているようだった。
口数が少ないのもいつものことだが、怒っているようにもみえる。

「え?ごめん……怒ってる?」
「もう!あなたって、なんにもわかってない!」

みんなと違って、陸や空はチサキのフィールドではない。
そのような環境では自身の力を発揮できない(要するにポンコツ)であることを気にしていたのである。


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