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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

785 ◆V9ncA8v9YI:2017/09/14(木) 14:13:12
"自称176cm"
彼女をひとたび前にすれば、センチメートルという単位がどの程度の長さを表すのか分からなくなってくる。
その巨人の名はクマイチャン。文字通りの大物だ。
クマイチャンは自分に気づかず真下にやってきたリカコに対して軽く刀を振っただけなのだが、
あまりの高さと勢いに、リカコには鉄の物体が急降下したように見えたようだ。

(や、やば、やば、ヤバイ、死ぬ!これを受けたら死ぬ!)

超高速で迫り来る刃に直撃したら確かに命が危ういだろう。
最悪即死、良くても致命傷に違いない。
それを本能で感じ取ったリカコはアスリートの如き瞬発力を発揮し、
長い脚によるストライドであっという間に退却した。
これには流石のクマイチャンも面食らう。

「ありゃ、空振っちゃった……思ったより動けるんだね」

クマイチャンはこれまでのリカコの戦い方を見聞きして、「戦闘能力が低いため石鹸による特殊戦法に頼らざるを得ない戦士」だと思い込んでいた。
だが本当に運動神経の悪い者が一瞬にしてあのスピードを出すことが出来るのだろうか?
下手したらマイミさえも抜きかねない初速じゃなかったか?
それに、クマイチャンはそれ以外の心配事も抱えていた。

「あれ?そう言えばキュートはいないの?……」

連合軍はキュートと若手の組み合わせでチームを編成して
それぞれの扉にチーム単位で攻めてくるだろうと、
ベリーズ達も作戦会議の場で予測していた。
だが目の前にいる"チーム下克上"はアンジュの番長だけだ。キュートは1人も含まれていない。
チナミ戦でマイミが離脱したので他のチームと違ってキュートが1人足りないのである。
これだと一方的なワンサイドゲームになるのは明らか。
それで本当に良いのだろうか?
だが、ベリーズの作戦会議ではこうとも言っていた。
"相手がどんな状態であろうと全力で叩き潰せ"
それを思い出したクマイチャンは一切の迷いを振り切って、全てを押しつぶす重力のオーラを全開にする。

「キュートの事はどうでも良いか! 誰が相手だろうと斬るだけだし!!」

この戦いにタイトルをつけるとしたら「あまりにも出すぎた杭 vs 番長の総力戦」と言ったところだろうか。
総ての戦力を出し切ることが出来なければ、番長たちに勝ち目は無い。


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