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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

781 ◆V9ncA8v9YI:2017/09/10(日) 14:25:40
この戦いに臨む前にベリーズ達も作戦会議を行っていた。
そこで決まった内容は単純明快。「殺す気で戦う」だ。
今までの二戦も殺気を振りまいてはいたが、ここからは更にもう一段階ギアを上げる。
一切の慈悲を持たぬ事が未来に繋がると信じ、全身全霊で攻撃していく。

「みんな避けて!」

危機を察知したナカサキは大声で連合軍に警告した。
特に戦車の砲台の直線上に立っている戦士は、蹴り飛ばす勢いで容赦なく吹っ飛ばした。
かなり荒い対応だったがその判断に間違いはなく、
ほんのコンマ数秒後には轟音と共に砲弾がぶっ放される事になった。
高速で且つ重量感のある砲弾はそのまま前方を突っ切り、
必殺技の名前通りの大爆発を起こして、周囲の木々を一瞬にして消し炭にしてしまう。
これを人間が喰らっていたら痛いどころでは済まなかっただろう。
1撃でも被弾すればそれでお終いだと考えると、この戦車という乗り物はなんと恐ろしい兵器だろうか。
しかし、だからと言って尻尾をまいて逃げるわけにはいかない。ここを乗り切らねば武道館には辿り着けないのだ。
ではどう戦うべきか?このあまり広くない場所で、この大人数がそう何回も砲弾を回避しきることが出来るのか?
全員が答えを出すよりも早く、マイミが叫んだ。

「ここは私に任せろ!お前たちは急いで武道館へ迎え!!」

マイミは勢いよくJUMPし、大胆にも戦車に取り付けられた大砲に抱き着きにかかった。
そして拳をギュッと強く握り、チナミを守る鉄の壁に強烈なゲンコツを食らわせたのだ。

「大層な乗り物じゃないか。だが所詮は鉄製だ。鉄の壁を私が壊せないとでも思っているのか?」

この行動は無謀に見えてなかなか有効だった。
戦車による砲撃の射程は遠距離にまで及ぶが、自身を撃つことは出来ないためマイミの位置は安全地帯だと言える。
つまりはマイミは一切の攻撃を受けることなく一方的に戦車を攻撃できるのである。

「あー、確かにマイミが全力で叩き続けたら壊されちゃうかもね。」
「そうだろう。」
「でもさ、私がマイミを相手にすることを想定してないと思ってる?対策ならね、山ほどあるんだよ。」
「だったらその対策とやらを見せてみろ!!」

マイミがこの場を引き受けた事に感謝する間もないほどに早く、連合軍たちは急いで外門をくぐっていった。
あのまま場に残り続けるとチナミの砲弾に狙われてしまい、マイミの邪魔になる可能性が大きかったので
命令に従ってすぐさま武道館へ向かうことこそが最善の道だと判断したのだ。
外門をくぐった先には憧れの武道館が待ち構えていたが感傷に浸っている時間は無い。
「チームダンス部」は武道館を左から回って東口へと、
「チーム河童」と「チームオカール」、そしてマイミ以外の「チーム下克上」は武道館を右から回って西口へと向かっていく。
距離自体はさほど無いので正面入口である西口にはすぐに到達できたが、
そこでは最悪の人物が腕組みしながら連合軍たちを待っていた。
あまりの寒気に身体を巡る血液が凍りつきそうになってくる。

「お? 思ったより大勢で来たのね。チナミじゃ食い止めるのに限界があったのかな?
 ……でもみんなの武道館ツアーはここでお終い。許してにゃん。」

西口正面入口の防衛担当は予測不能の暗器使いであるモモコだ。
彼女は既に数多の罠を設置し終えている。


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