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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

773 ◆V9ncA8v9YI:2017/09/07(木) 18:19:38
結成後は同じチーム同士で集まり、細かなところを詰めていった。
連合軍もここまで共にしてきたのだから、誰がどれだけの力量なのかは十分に把握できている。
そのため、実践時を想定した作戦は比較的スムーズに決まったようだ。

「気づけばもう夜じゃないか。 よし、作戦の決まったチームから身体を休めていこう!」

連合軍リーダーマイミの指示に、メンバー達は素直に従っていった。
もちろん自分たちの実力不足を憂い、もっとトレーニングしたいという気持ちも無くは無いが、
ギリギリまで身体を酷使するよりは、
しっかりと休養をとった方が明日の決戦でより良いパフォーマンスを発揮できると理解しているのだろう。
今いる場所から武道館まではそう離れていないため、明日の昼過ぎにでも出発すれば指定時刻までには十分間に合う。
夜しっかり寝て、午前中にイメトレなどを行えばバッチリだ。
しかしただ1人、十分な休養をとれない……いや、とろうとしないメンバーが存在した。
それは武器修理にかかりっきりのマーチャン・エコーチームだった。

「マーチャン、休まなくて本当に大丈夫か?」
「明日の朝早く起きて、そこで作業再開すればよくない?」

1人黙々と工具を扱うマーチャンを心配して、同期のハルとアユミンが近くまで来ていた。
マーチャンは作戦会議にもろくに参加せず作業をぶっ続けで行なっていたので、相当に疲労が溜まっているはずなのだ。
それでもマーチャンは手を止めたりしなかった。

「頭の中がね、なんかグチャグチャしてるの。 すごーく変な感じ。
 マーチャンが今すぐ武器を作らなかったら、きっと忘れちゃう。明日は覚えてないと思う。
 だからマーチャンが今やらないといけないの!ドゥーとアヌミンはあっちで休んでて!」

マーチャンの脳はチナミの創作活動を見て強い刺激を受けていた。
一回見ただけで何でも覚えられる才能の持ち主が、
今すぐカタチにしないと忘れてしまうと言うのだから、余程の高等技術なのだろう。
そうやって没頭するマーチャンの背後に、カリンが登場した。
そしてマーチャンの両肩に手を置いていく。

「マーチャンは凄いね。立派な武器をどんどん作っちゃう。
 みんなのためだから、今のマーチャンを止めちゃいけないんだよね?それはカリン、よく分かった。
 でもせめてマッサージくらいはさせてもらえないかな?
 作業の邪魔にならなければで良いんだけど……」

そう言うとカリンはマーチャンの肩をギュッギュッと揉みはじめた。
例の針治療ほどの回復効果は無いが、緊張して硬くなっていた筋肉がほぐれてとても気持ちが良い。

「んー……別にマッサージさせてあげてもいいよ。」
「わぁ、気に入ってくれたんだ!」

一連の光景を見ていたアユミンとハルは互いに顔を見合わせて、
慌ててマーチャンの脚と腕のマッサージを開始した。
どれだけ効果が有るのかは分からないが、少しでも疲労を回復できるのであればやった方が良いとの判断だ。

(ところでアユミン、マーチャンは何時まで武器の修理をするつもりなんだ?)
(さぁ?……まさか朝までとか言わないよね?)


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