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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

75 ◆V9ncA8v9YI:2016/02/16(火) 08:39:29
リサも出来ればこの手は使いたくなかった。
毒によって相手に与えるダメージは非常に強大ではあるが、
それは同時にカエルが死ぬことを意味している。
カエル好きなリサにとってはとても心苦しい戦法なのである。
とは言え、この状況では甘いことを言ってられない。
戦士としての誇りを持っているため、任務遂行に命をかけているのだ。
だがそれは帝国剣士だって同じ。
自分たちの使命を考え、最も優先すべきことは何なのかを判断している。

「ハルナン、この子に攻撃すると危険なのはよく分かった。じゃあこのまま放っておこう。」
「!……なるほど、律儀に相手する必要はないですもんね。」
「エリ達のやるべきことはサユ様を助けることやけん。ここで立ち止まっとる暇はない。」

さっきまではリサがカエルで邪魔してきたので早急に黙らせる必要があったが
防御形態をとるリサはその場に留まるのみ。
ならばエリポンが言うように放っておけばいいのだ。
最優先事項であるサユ救出のため、エリポンは一歩踏み出そうとした。

「待ってエリポンさん!歩いちゃダメ!」
「!?」

エリポンがあとちょっとで地面を踏むといったところで、ハルナンのストップが入った。
なんと足元にはリサが纏っているようなドギツい色のカエルがビッシリと敷き詰められていたのである。
ちょっとでも歩みを進めればカエルを踏まずにはいられない。
その時は毒が飛び散って、脚をダメにしていたことだろう。

「うおっ!危なかった……」
「それにしてもこの状況は不味すぎますよ……」

警戒色を示すカエルが足の踏み場も無いくらいに集まって密集している。
この状況でカエルを踏みつけずにモモコのところに到達するなんて不可能に近いだろう。
このカエル絨毯をなんとかしたいのであればリサを倒すほかに方法は無いのだろうが
そのリサに攻撃することも先述の理由で非常に難しくなっている。
要するに、帝国剣士はほぼ詰みかけていたのだ。

「言ったでしょう?足止めに専念するって。」


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