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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

716 ◆V9ncA8v9YI:2017/07/04(火) 13:06:02
マイミに決闘を挑むというカリンの発言に一同は騒然とした。
さっきまで下を向いていたナカサキ、アイリ、オカールまで顔を上げる程だ。
しかし、肝心のマイミには響かなかったらしく、
カリンの言葉をただ繰り返すだけだった。

「そうか……私と決闘か……」

相手にされないことは覚悟していたので、カリンは次々と準備を進めていく。
まだ困惑中のトモの手を無理やり引っ張っては、
アンジュの帰宅番長リナプーの前へと歩いていったのだ。

「うわ……」

厄介者がやってきたのでリナプーは露骨に嫌な表情をしたが、
それにも構わずカリンは勧誘していく。

「リナプーも戦えるよね!」
「いやいや、どこをどう見たらそう思えるの……」

たいへん失礼な話だが、トモにもリナプーからはやる気を感じ取ることが出来なかった。
いつものように元気なく地べたに座っているようにしか見えないのだ。

「そう、リナプーはいつもと同じなの!」
「え?」
「普通の人が元気なかったら心配するけど、リナプーはいつも元気ないよね!
 ということはそんなに落ち込んでないんじゃない?」
「うわうわうわ、めんどくさ……」
「それに、リナプーの武器は"壊れていない"。」
「!」

カリンは急にしゃがみだし、リナプーの武器兼愛犬であるププとクランの頭を撫で始めた。
他の戦士の武器が物理的に破壊されているのに対し、この犬二匹は怪我の1つも負っていない。

「この子たちはまだやれるよね?……まぁ、飼い主のリナプー次第だけど。」
「はぁ……しょうがないな、やるよ。やれるに決まってるでしょ」
「やったー! これで仲間が4人になったね!」

カリンがピョンピョン飛んで喜んでいるところに、
もう1人の戦士が声をかけてきた。
今まではカリンが誘う形だったが、今回はその人の方から志願してきたのだ。

「私もその仲間に入れてもらえませんか?」
「オダちゃん!」

志願兵の名はオダ・プロジドリ。
強力な助っ人の登場に驚きつつもカリンは喜ぶ。

「もちろんだよ!でもどうして?」
「もう負けたくないんです。 相手が伝説の存在だろうと、私は勝たないといけないんです!!」

オダはこれまでサユやチナミと戦い、どちらも敗北していた。
プラチナ剣士やベリーズ戦士団が相手なので負けて当然だとみなは思っているが、
それではオダ・プロジドリのプライドが許さないのである。
その気迫にたじろぎながらも、トモ・フェアリークォーツが疑問点を投げかける。

「えっと……戦うのは止めないけどさ、いったいどうやって挑むつもりなの?
 だって、剣は折られちゃってるのに……」
「剣が無いからと言って戦わないのは、剣士として二流では?」
「お、おう……」
「それに私は信じてるんですよ。」
「信じてる?何を?」
「いざ挑むその時になれば、私の手に剣が握られていることを……です。」


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