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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

712 ◆V9ncA8v9YI:2017/06/28(水) 13:00:05
(あれ?……この音は……)

正体不明の金属音が鳴っていることにカリンは気づいた。
大多数が何もせずじっとしている中で、その人は次に向かって動き出していたのだ。

「マーチャン!なにやってるの?」
「武器作ってるの。」

マーチャン・エコーチームは諦めていなかった。
ここら一帯にはチナミの作った機械兵の残骸があちこちに転がっていて、
それらの部品を利用して新たな武器を作ろうとしているようである。
どこから拾ったのかは知らないが工具も一式揃えられているようで、
製作に必要な環境は整っているみたいだ。
周りが闘志を失っているにもかかわらず、黙々と作業を進めるマーチャンを見てカリンは感動する。
そして、マーチャン以外にも熱を失っていない戦士はまだいるのではないかとも思い始めてきた。
だったら、カリンは動くしかない。

「ねぇマーチャン。」
「なに?」
「すごーく細い針とかって作れるかな? 刺しても痛くないくらいに細いやつ。」
「たぶん。」
「今作ってる武器の後でいいから、細い針を20本作って欲しいな。頼める?」
「う〜〜〜〜ん、いいよ。」
「さすがマーチャン!」

これでカリンは戦う力を取り戻すことが出来る。
次にすべきは仲間探しだ。
みんなが落ちている中、1人だけ喜びを隠しきれていない人物がいることにカリンは気づいている。
モチベーションの低下もなく、武器も破壊されていない人なら、
強力な味方になってくれるはずだとカリンは考える。

「トモ!一緒に戦って!」
「カリン?……突然なに言ってんだ?……」
「私にはお見通しだよ。 トモ、全然落ち込んでないでしょ!」
「ちょっ!……バカ、なにを言って……」

確かにトモは他の若手戦士と違って、対ベリーズ戦で屈辱的な思いをしていなかった。
それどころかミヤビにトドメを刺すことが出来たので有頂天にもなっている。
周りが暗くなっているのでウキウキを表に出さないようにしていたが、
カリンにはバレバレだったようだ。

「トモ、自信に満ち溢れているよ。 誇らしいなら胸を張りなよ!」
「だから大声で言うなって……」
「違う!大声で言わなきゃダメなんだよ!
 みんな聞いて!私たちはこれからマイミ様に決闘を挑むんだ!
 力を貸してくれる人がいるなら、一緒に来て!!」
「はぁ!?」


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