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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部
708
:
◆V9ncA8v9YI
:2017/06/26(月) 20:26:38
「んっ……」
チナミとの戦いで意識を失っていたカリンが目を覚ました。
起きてからしばらくの間は寝ぼけていたが、
自分が寝ていた場所がいちごのベッドでは無いことに気づくのに、そう時間はかからなかった。
(お外だ……時間は夕方?……それに、みんなもいる。)
辺りには帝国剣士がいた、番長がいた、そしてキュート戦士団もいた。
みんながみんな、うなだれているように見える。 幸せそうには全く見えない。
カリンが最悪の事態を理解しかけたところで仲間であるアーリー、トモ、サユキが声をかけてきた。
「あ!起きたぁ!」
「よく寝てたね。起きたのはカリンが一番最後だよ。」
「必殺技で無理をしすぎたから疲れちゃったのかな。」
"起きたのはカリンが一番最後"。
つまりはここにいる全員が寝てたか、気を失っていたということ。
カリンは信じたくない現実に確信を持ってしまった。
「私たち……負けちゃったんだ……」
カリンの言葉を聞いた仲間たちは黙ってしまった。
なんとか無理して明るく振舞おうとしたが、
敗北という事実が少しでも頭をよぎるだけで現実に戻されてしまう。
以前、チナミが2つのものを折ったと言ったのを覚えているだろうか。
1つは文字通り、若手戦士たちの武器を折っている。
そしてもう1つは「心」だ。
圧倒的なまでの力をみせつけられて、しかも対抗しうるための武器まで破壊されたので
もういくら頑張っても敵わないと、痛感させられている。
「あ、そうだ!キュート様はどうなったの!?マイミ様!マイミ様はどこですか!」
こんな時は、強大な存在であるキュートに頼りたいとカリンは考えた。
そうすれば次に進む指針を示してくれるだろうと思ったのである。
しかし、それも叶わない。
「…………」
「マイミ……様?」
一人で座り、虚空を見つめているだけのマイミを見て、カリンは衝撃を受けた。
いつも連合軍の先を行くマイミの姿はどこにも見当たらない。
敗北のSHOCK!で廃人のように呆けているその様からは
リーダーシップを少しも感じ取ることができなかった。
キュートの他のメンバーであるナカサキ、アイリ、オカールも黙って下を見ている。
団員である彼女達から団長に喝を入れてもらうことは期待できないだろう。
キュートがこの有様なのだから、若手戦士が何くそと奮い立てるわけもない。
完全に士気が落ちてしまっているのだ。
「マイミ様!ベリーズはどっちに行ったんですか!?追いかけなくて、いいんですか!?」
「カリンか。 ベリーズは……」
「知ってるなら、教えてください!!」
「いや、もういいんだ……どうせ、勝てないと。」
「えっ!?」
マイミの口からこんなにも弱気な発言が飛び出すなんて、
カリンだけではなく他の若手らも想像だにしていなかった。
こんな状況でどうやってベリーズに勝てると言うのだろうか。
いや、そもそもどうやってベリーズと戦えば良いのか?
マイミが、キュートがこのままでは、何も始まらない。
(タケちゃん……フクちゃん……こんな時、私はどうすればいいの?
2人に側にいて欲しいよ……カリンだけじゃなんにも出来ないよ……
みんなを動かす方法を、私に教えてよ!!!)
これからカリンかすべきことはただ1つだけ。
連合軍の士気は完全に下がっているように見えるが、
中には闘志の炎を消していない者だって何人かは存在する。
その者たちを見つけ出して、マイミに挑むしかないのだ。
自分たちが力を合わせれば食卓の騎士マイミをも凌駕することを、ここで示すしか無いのだ。
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