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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

703 ◆V9ncA8v9YI:2017/06/21(水) 21:35:22
絶対に避けられない攻撃であり
それでいて当たれば必ず勝利できる攻撃をシミハムは解き放とうとした……のだが、
このタイミングでとある人物がやって来たので動作を瞬時に取り止めた。

「ただいまーー!あーキツかったーーー!」

戻って来たのは先ほどまで若手戦士らの相手をしていたチナミだった。
全身ボロボロ、足取りはフラフラ、いかにも疲労困憊といった様子だ。

「この仕事さぁ、ほんっとに割に合わないよ……あれ?モモコが倒れてる。 やられちゃったの?」
「あのねチナミ、状況を見なさいよ。」
「うわっ、みんな倒れまくってる。」

ミヤビ、クマイチャン、アイリ、オカール、トモの5名が意識を失っており
モモコも喋れはするものの立てないでいる。
実力が拮抗した勢力のぶつかり合いなのだから、こうなるのも無理ないだろう。

「うーん、戦う気力があるのは2人ってとこかー」
「2人って、マイミとナカサキのこと?チナミはどうなの?」
「いやいやいやいや、もう身体が限界だよ!当分は肉弾戦は無理だからね!」

チナミとモモコはベリーズの一員なのでシミハムの姿が薄ぼんやりと見えているのだが、
自軍の団長を「戦う気力がある」とはみなさなかったようだ。
それもそのはず。シミハムは「勝つための攻撃」から、「行動を制限するための攻撃」に切り替えていたのだ。
その攻撃によって、マイミの脚が瞬時に破壊される。
義足部分ではなく生身の腿に三節棍をぶつけたのである。

「なにっ!!?」

シミハムは蓄積された力の全てを、マイミの機動力を潰すことに費やした。
この程度ではマイミはダウンしないのは折り込み済み。
事情が変わったので、今は移動手段を制限することを最優先に行動しているのである。
そしてマイミの脚を破壊した勢いのまま、
ナカサキの二の腕に鋭い蹴りを喰らわせることにも成功する。
その結果としてナカサキは腕から噴水のように血を吹き出してしまった。
血の巡りが良すぎるあまり、ひとたび傷つけば即大量出血になるのが確変の弱点。
ナカサキは数秒も経たずにフラつきだす。

「ううっ……クラクラする……」
「大丈夫かナカサキ!……くそっ!またしてもシミハムにやられたのか!」

もう存在感を消す必要がないと判断したシミハムは、己の姿をマイミの前に現した。
容易に動けぬマイミとナカサキに対して、ほとんど無傷のシミハムはまだまだ元気いっぱい。
圧倒的優位なままマイミ達にトドメを刺すかと思われたが、
ここでモモコが意外な発言を口にする。

「さて、それじゃあ逃げよっか。シミハム。」

モモコの提案に、ベリーズの団長シミハムはコクリと頷く。


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