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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

70 ◆V9ncA8v9YI:2016/02/14(日) 17:54:33
ウシガエルを仕留めたエリポンは、ヘッドバンキングの要領で上半身を激しく揺らしカエルを振り落とす。
そして鞘から打刀「一瞬」を抜いてはリサへと突きつけるのだった。

「勝てんよ。キミ。」

もう一人の帝国剣士団長であるハルナンだってフランベルジュ「ウェーブヘアー」を構えている。
二人はもはやカエルなど相手にしてはいない。
リサに照準を合わせているのは誰が見ても明らかだ。
それを理解したリサは、止むを得ず戦法を変えることにした。

「分かりました。諦めます。」
「お、降参?」
「違いますよ!帝国剣士を全員倒すのを諦めるってだけです。
 ここからは足止めに専念しますから。」

そう言うとリサは指笛を使って数十匹のカエルを自身の元へと集めだした。
そして鎧を装着するかのように赤、青、黄のド派手な色をしたカエルを纏っていったのだ。
これがリサ・ロードリソースの防御形態。
自ら動くことは出来ないが、鉄壁をも超える防御力を発揮することが出来る。

「なん?そんなので足止めできると思っとーと?
 こんなのカエルごと斬ればいいだけやん。」

エリポンの言う通り、リサの装甲はとても頼りないものだった。
カエルが鋼の硬度を誇るのであれば話は別だが、生物である以上それはありえない。
構わずぶった斬ればそれで終わりなのである。
しかし、ハルナンはこの形態に異質さを感じざるをえなかった。

「待ってくださいエリポンさん!斬るのは……まずいです。」
「えっ?それはどういう……」
「カエルのドギツい色……あれは警戒色ですよ。攻撃するなと訴えているんです。」
「警戒色!……ってことは」
「はい、あのカエルは間違いなく猛毒を持っています。
 もしも体液が飛び散ったりでもしたら……その時はどうなっても知りませんよ。」

ハルナンの推察通り、リサの纏うカエルは猛毒カエルだった。
前にも述べたがカエルごと斬ればリサを倒すこと自体はとても容易い。
もっとも、それがキッカケで飛散した毒を浴びた場合は生命を保障出来ないだろう。
ゆえにエリポンとハルナンは攻撃を躊躇するしかなかった。

「じ、自分も死ぬかもしれんのに毒カエルを盾にする!?普通!」
「毒に対する免疫が有るのか……あるいは死を覚悟しての行動、ってことですかね……」
「うぅ……」


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