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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

685 ◆V9ncA8v9YI:2017/06/12(月) 22:31:05
ナカサキを寄せ付けずにオカールを対処すればミッションクリアー。
モモコはそのように考えているし、それを実現する自信だって持ち合わせていたが
今のナカサキの状態を唯一の懸念材料だとみなしていた。

(あの姿のナカサキが一番厄介なのよね……
 派生でもなんでもない、ただの"確変"がどれだけ恐ろしいか。)

モモコの言う通り、ナカサキは必殺技「確変」を使用していた。
ただし、それは泳力特化の「派生・海岸清掃」や白兵戦に優れた「派生・ガーディアン」、
脚力強化する「派生・秩父鉄道」などではない。
ただの「確変」をしているのである。
それは即ち、全身のパフォーマンスをバランスよく向上させているとうこと。
その分、体を巡る血液量はべらぼうに増えて疲弊しやすくなってしまうが
どんな状況にも対処できるという意味ではこの形態が原点にして頂点なのである。

(ナカサキは確変の力で私の罠を掻いくぐるつもりに違いない。
 だったら、その行動に合わせてカウンターを決めてあげる。
 さぁ、どう出る!?)

モモコはナカサキの一挙手一投足を見逃すまいと、相手を凝視した。
1秒経過……ナカサキは動かない
2秒経過……ナカサキは動かない
3秒経過……ナカサキは

(って動かんのかーーーい!!)

モモコは心の中でツッコミを入れていた。
オカールをどれだけ高くぶん投げたのかは知らないが、すぐには落ちてくるはず。
ならば挟み撃ちをするためにはナカサキは急いでモモコに接近せねばならない。
なのに彼女は一歩も移動しようとしないのだ。

(もう!じゃあナカサキは無視!オカールをなんとかしなきゃ!)

シビレを切らしたモモコが顔を上にあげようとしたその瞬間、
さっきまで静止していたナカサキが途端に走り出した。
これにはモモコも面食らう。

(はぁ!?今動くの?……)

意識が上に向いた瞬間を突かれたものだから、モモコは慌てざるを得なかった。
急いで対応しようと一歩前に出るが、実はそれすらも過ち。
ナカサキは持ち前のキレで、すぐさま前進を取りやめたのだ。
急停止するナカサキに対して、モモコは急に止まれない。
前に出ようとした時の勢いのままスッ転んでしまう。

(しまった!……やられた!!)

ここでモモコはナカサキの強みが確変だけでなく、ダンサブルな動きも含まれていたことを思い出した。
今、ナカサキが見せたように華麗な足技で相手を転倒させる「アンクルブレイカー」は、
数年前に狂犬の如き強敵にも浴びせた高等技術なのである。
しかし、モモコだってただで転んだりはしない。
この失敗をバネにして、自身の立ち位置を優位に持って行こうとしている。

(前に転ばされた? 分かった、転ばされてあげる。
 その代わり、もっともっと転んでやるんだから!!)


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