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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

668 ◆V9ncA8v9YI:2017/06/02(金) 08:36:05
チナミは物理的なものと精神的なものの、計2つを破壊していた。
そのうちの1つ目は「武器」だ。
武器職人の彼女にとっては、相手の得物を折ることなど赤子の手をひねるように容易く行うことが出来る。
そうしてサヤシの居合刀を、アユミンの太刀を、ハルの竹刀を、オダのブロードソードを、
サユキのヌンチャクを、カリンの釵を、アーリーのトンファーを真っ二つにしてみせたのである。
しかもそれらの自慢の武器を壊してみせたのが、つい先ほどにほんの短納期で作った「鉤爪」なのだから衝撃は大きい。
唯一、エリポンの打刀だけはその重厚さゆえか刀身を切断できていなかったが、
長い腕と暴力的なまでの身体能力差で強引に奪い取っては、刀をその辺に投げ捨てていた。
自分より力強かった戦士が簡単にあしらわれたため、アーリーが感じるショックは計り知れなかっただろう。

「そんな……エリポンさんまで……」

武器が壊されたりしたら大抵の戦士は、戦闘能力が半減する。
特に、剣術を扱うモーニング帝国剣士にとっては戦う術そのものを奪われてしまったに等しいだろう。
だが、KASTは違った。
彼女ら果実の国の戦闘集団は(今この場に居ないトモも含めて)戦うのに武器を必須としない。

「だったら!ウチがやったるわ!!!!」

恐怖からなる涙で顔をぐちゃぐちゃにしながらも、アーリーは勇気を振り絞ってチナミに飛びかかった。
そして今出せる全力のパワーで抱きしめるのだった。
アーリーが力でエリポンに遅れをとっていたのはもう昔の話。
220を越える実戦経験で鍛えられたアーリーの膂力は、過去の何倍にも強化されていたのだ。

「"Full Squeeeeeeeeeze"!!!!」

固い柱だろうと、鉄の機械兵だろうと、なんでも圧してしまうアーリーの必殺技が決まった。
そして、KASTの猛攻はこれで止まりはしない。
アーリーがチナミを抑えているうちに、
サユキは大空を飛翔し、カリンは大地をしっかりと踏みつけながら倒すべき敵に接近していたのだ。
サユキは強烈な蹴りを首にぶち当てて、
カリンは得意の高速行動でチナミの細い足を数十発もの突きで壊そうとした。

「二人とも今や!!」
「「たぁーーーー!!!」」


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