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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

56 ◆V9ncA8v9YI:2016/02/09(火) 03:06:48
「3、2、1、今だ!」

モモコが門を突破するのと同じタイミングで、マイミが飛び掛かった。
外へ出ようとするモモコは前方向しか見ていないはずなので、横からの攻撃は完全な不意打ちとなるだろう。
この強打さえしっかりと当てることが出来れば戦況は大きく有利になると思われていた。
だが、その程度でモモコを出し抜こうだなんて甘かったのだ。
モモコの乗る馬は、門を出ると同時にマイミの方へと急転回する。

「やっほ〜マイミ元気〜?」
「なっ?……次の角を曲がっただと!?」

マイミの行動は見ての通りモモコに読まれていたのだ。
城門にマイミがいるという事実はこの場にいる者しか知らないはずなのだが、それでは何故バレたのか。
その理由はマイミの放つ嵐のような殺気にあった。
マーサー王だけでなくサユまでも連れ去られるという事実に、マイミは激怒している。
その怒りがオーラと連動して激化し、皮肉にもモモコに場所を知らせる発信源となってしまったのだ。
こうなるといくらマイミがキュートの団長であろうと非常に分が悪くなる。
両義足を失い機動力の落ちるマイミに対して、モモコはマーサー王国一の名馬という足を所持している。
この馬、名をサトタと言うのだが、蹴り技を非常に得意としていた。
その強靭な脚力から繰り出されるキックはマイミの胸の骨をメキメキと破壊する。

「……!!」
「そんな怪我でモモに挑んじゃなダメでしょ〜?……ってもう喋れないか。死にそうなくらい苦しいはずだしね。」

たった一蹴りでマイミをノックアウトするモモコを見て、帝国剣士らは凍り付いてしまった。
だがモモコの脇には情報通りサユが抱えられている。
便りの綱であるマイミが居なくなったからといって逃げる訳にはいかない。
この場で、食卓の騎士モモコを止めなくてはならないのだ。

「ベリーズだかなんだか知らんっちゃけど、サユ様は返してもらう!」
「んっ?ひょっとして戦うつもり?」
「当たり前っちゃん!」
「許してにゃん、いや、ごめんなさいね。 私たちに戦うメリットなんて無いんだ。」

モモコがそう言い放つと、周囲に「馬上の4人」を呼び寄せた。
やはりこの4人はモモコの仲間。部下にあたる存在だったのである。
そして、臨戦態勢に入ろうとする帝国剣士らを嘲笑うかのような行動をとり始める。
要するに、逃亡を始めたのだ。

「じゃあねバイバイ〜」
「ま、待て!!」
「ん〜、私たちに追いついたら相手してあげてもいいけど、足はあるの?」

モモコ一派と帝国剣士の決定的な差。それは馬の有無だった。
いくら帝国剣士がせいいっぱい走ろうとも馬の速度には追いつけない。
しかもマリアのように飛び道具を扱う剣士もいないために、攻撃を当てることすら叶わないのである。
これではサユが攫われるのを指をくわえて見てることしか出来ない。
ところが、そうはならないための予防策を事前にうっていたのだ。
モモコならびに部下ら4名が次々と落馬していくのを見て、帝国剣士らは防衛の成功を確信する。


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