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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

48 ◆V9ncA8v9YI:2016/02/04(木) 08:37:42
飛んでくるナイフの存在にいち早く気づいたのはノナカだった。
持ち前の耳の良さで風切る音を感じ取ったのである。

「何か来てます!あれはマリアちゃんの……?」
「エリが台になる。キャッチ出来そう?」
「はい!」

ノナカはエリポンの肩を踏み台とし、高く跳び上がった。
非公式ながらアクロバット部を自称する彼女らにとって
このようなコンビネーションを瞬時に見せることは朝飯前なのだ。

「こ、これは……!」

ナイフに括り付けられた手紙を読んだノナカはひどく驚愕する。
他の帝国剣士らも回し読み、事の重大さを理解していく。

「サユ様がさらわれた……!?」
「しかも犯人はベリーズのモモコ様で、こっちに向かってきている!?」

アカネチンの記述したセンセーショナルな内容は、すぐに皆の頭の中に入っていった。
マイミからマーサー王国で起きた事件をさっき聞いたばかりだというのに、
更にモーニング帝国にまでベリーズが攻めてきているなんて、異常事態にも程がある。
こうなると、帝国剣士らはマイミの後からやってきた「客人たち」にも疑いの目を向けざるを得なかった。

「あんた達は何者なんじゃ……ひょっとしてベリーズ戦士団と関連が?」

サヤシが声をかけた客人は、馬にまたがる4人の少女だった。
さっきから何をするでもなく、城門の前でずっと立ち続けているのだ。
その中の一人である栗毛の長髪がサヤシの問いに答えていく。
しかしそれは回答と言うにはあまりに曖昧だった。

「さぁ?どうでしょう……分かりませんね。」
「だったらどうしてここに居るの? 城に攻めに来たんじゃないの?」
「攻めるんですかね、どうなんですかね。 ちょっとそれも分からないですね。」

カノンが質問をしても明確な返事は返ってこない。
4人はクスクスと笑いながら、高いところから帝国剣士らを見下ろすだけだ。

「ふざけないで!馬鹿にしてるの?」
「いやいや本当に分からないんですよ。 私たちだって先輩の指示待ちなんですから。」
「先輩……?」


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