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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部
46
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/02/03(水) 08:38:23
ハルナンは全く戦う気が無いのかその場でただ俯いているだけだったし、
アカネチンも視線だけはモモコの一挙手一投足を捉えてはいるものの、何も出来なかった。
この場にいる戦力ではモモコに太刀打ちできないことは明らかだったのだ。
「あら、やる気なし? じゃあ遠慮なく……」
モモコはハルナンらに背を向けて、馬を前方へと走らせた。
目的地は城の敷地内に入る際にくぐってきた城門だ。
サユを攫って国外へと逃亡しようとしているのである。
駿馬のスピードはなかなかのもの。この分ならあっという間に門へと到達してしまうだろう。
「させない!!」
この後に及んでもまだ食い下がったのは、腕からひどい出血を見せていたマリアだった。
自身のもう一つの武器である投げナイフ「有」を取り出して、
高速で移動するモモコ目掛けて投げつける。
「えいっ!!」
マリアは打撃だけでなく、肩も優れている。
彼女の放つ投げナイフは時速160キロをオーバーするため、馬の速さをも上回っていた。
コントロールがバッチリならば強敵モモコの身体に突き刺すことが出来ただろう。
しかし、今のマリアには真っ直ぐ投げることが何よりも難しかった。
新人お披露目会の時と同様にナイフは手からすっぽ抜けて、遥か上空へと吹っ飛んでしまう。
「ああっ!」
「マリア……スランプはまだ治って無かったの……」
研修生時代のマリアは確かに投打ともに優秀な戦士だった。
ところが、モーニング剣士になった途端に投げナイフの精度が目に見えて落ちてしまったのである。
緊張やストレスによる影響など理由は色々考えられるが、
とにかく今のマリアの投球術は戦力としては到底カウント出来ないレベルに有るのだ。
自身の不甲斐なさで憧れのサユを救えないと思うと、非常に泣けてくる。
「うっ……うっ……サユ様ぁ……」
「マリア、もう一回だけ投げてもらえる?」
「ハルナンさん?……でもマリアのコントロールじゃ敵には当たりません……」
「狙うのは敵じゃなくて味方よ。それならあなたの肩は活かすことが出来る。」
「えっ?」
マリアがキョトンとしているうちに、ハルナンはアカネチンに今の状況をメモすることを指示した。
そうして完成した読みやすいメモをナイフに突き刺しては、マリアに手渡す。
「これを城門の方角に思いっきりぶん投げて。 正確さは何もいらない。
おおよその位置に投げれば向こうの方からキャッチしてくれるはず。」
「あっ!……城門には!……」
「そう。エリポン帝国剣士団長を筆頭に計9名の帝国剣士が見張りの番についている。
私たちには何も出来なかったけど、彼女たちならきっとやってくれるはずよ。
そのための報せを投げることが出来るのは、マリア、あなただけ。
あなたのピッチングの速度は馬をも超えるのだから!」
「はい!!」
マリアは残った力を全て振り絞り、指示された方角目掛けてレーザービームの如き投球を放つ。
精度こそ酷いものだがスピードは目を見張るものがあった。
モモコの乗る馬よりももっと速く、目的地へと突き進んでいく。
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