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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

440 ◆V9ncA8v9YI:2016/07/02(土) 16:35:12
モモコの案内で、レイニャはとある場所に招き入れられた。
ここはベリーズ船の中でも一位二位を争うほどに重要な空間。
カントリーの若手たちが外敵の侵入をなんとしてでも阻止したかった部屋なのだ。

「レイニャ?……」
「お、サユ。」

ここはサユの部屋。
捕虜を閉じ込めておくには少しばかり、いや、かなり豪華な造りになっている。
レイニャに気づいたサユは上体を起こして、いかにもわざとらしい声色でこう言うのだった。

「助けてレイニャ〜! 私ね、囚われの姫君になっちゃったの〜」
「はいはい。」
「ちょっと、その反応はなんなの?」
「だってそのノリに付き合うのは疲れようやん。」

何年かぶりの再会だと言うのに、二人の間に感動のようなものは無かった。
まるで昨日も顔を合わせたかのような対応だ。
それに、レイニャは同期のサユを全く心配していないように見える。

「ちょっとは可哀想と思わないの? 普通は私をここから救い出そうとするもんじゃない?」
「ハハッ、その必要は無いっちゃろ。」
「ん……まぁね。 」
「それくらい分かるよ。馬鹿にせんといて。」

結局レイニャはサユと少し会話しただけで外に出て行ってしまった。
本人曰く、ちょっと顔を見れただけで十分らしい。
満足そうな顔で自分の船に戻ろうとするレイニャを、ミヤビが引き止める。

「なぁ、ちょっと聞いていいかな?」
「なん?」
「そっちの船に乗ってる3人は……レイニャの後輩ってこと?」
「そう! 右も左も知らないヒヨッコやけん、ビシバシ鍛えとーよ。
 ま、それでもモモコの後輩よりは一歩先に進んでるようっちゃけどね〜」
「そうか……昔のレイニャを知っているだけに未だに信じられないな……」
「もう、さっきから何なん?」
「いや、私にも後進を育てることが出来るのかなって思ってね……レイニャや、モモコがやっているみたいに。」
「いいんじゃない?一度きりの人生なんやし好きにやってみたら?」


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