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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

427 ◆V9ncA8v9YI:2016/06/22(水) 12:58:20
ホテルを目指して直進するベリーズ船は、進行速度を通常より落としていた。
連絡係りのリサ・ロードリソースが追い着くために、速度調整をする必要があったのだ。
いつ何処からやって来るのか分からないリサをいち早く見つける目的で、
カントリーのマナカ、チサキ、マイは甲板から周囲を見渡している。

「わっ!なんだろう?あの船……」

こちらに向かって一直線にやって来る船が見えたので、チサキは驚いた。
ベリーズ船のような大型船にも臆することなくUpComing(接近)するその船は、とても異様に思える。
ひょっとしたら海賊が乗っていて、戦闘を仕掛けてくるかもしれない。
あるいは命知らずが船ごと衝突してくるかもしれない。
どちらにしても最悪な未来。
ゆえにチサキは迎撃の体制をとらざるをえなかった。

「お魚さんたち!力を貸して!!」

魚を自在に操るのがチサキの能力だというのは、橋の上の戦いで見せた通りだ。
だが、その真骨頂は今のような海のど真ん中にいる時に発揮される。
この海域に生息する魚類は小魚などではなく、
カジキマグロのような2mを超える大物ばかりなのである。
それも、大量に。

「いけー!!あの船を落としちゃえ!!」

数十ものマグロの大群に突撃されたらどんな大型船だろうとひとたまりもないはず。
あちこちを破壊されて、そのまま沈没するのがオチだろう。
ところが、奇妙な船の乗組員はまるで恐れるような素振りを見せなかった。
それどころか、興奮しているように見える。

「ありゃ〜交戦する気は無かったんだけどなぁ。
 でも、相手が魚とあっちゃ……たぎっちゃうよね……」

その乗組員は釣り竿を取り出し、マグロ軍団の方に向かって針を投げつけた。
この行為は誰がどう見ても「釣り」にしか思えない。
そして、その認識には少しの狂いも無かった。
彼女は全てのマグロを釣るつもりなのだ。

「おりゃおりゃおりゃおりゃーーーー!!!」

チサキ、マナカ、マイは信じられないと言った顔でその光景を見ていた。
マグロは一本釣りするだけでも非常に難度が高いというのに、
その釣りバカは超高速で全ての魚を連続して釣り上げてしまったのである。
船に乗り切らないと判断したマグロをキャッチアンドリリースする余裕まである程だ。
一仕事終えた後の釣りバカ、その名もオカマリはとても満足そうな顔をしていた。

「はぁ〜気持ち良かった〜。 次はサメとか呼んでほしいな〜。」


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