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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

402 ◆V9ncA8v9YI:2016/06/10(金) 12:56:08
「けんかをやめて〜二人を止めて〜」

タイサとマジメの間に、大柄の女性が割って入っていった。
この女性のコードネームは"ウララ"。
DJの形をとってサヤシとアユミンに橋の情報を渡した張本人なのだ。
その両手には、魚でいっぱいのバケツが握られている。

「なにその魚?……」
「さっき大人のお姉さんに貰ったの。 大量に余ってたみたいだよ。
 だから今夜の晩ごはんは魚料理にしない?」
「良いね!じゃあ早速キッチンに……」

新鮮な食材を前にして、組織内のシェフであるマジメは瞳を輝かせていた。
料理得意な彼女からしてみれば、よほど腕が鳴るのだろう。
おかげで今夜のディナーは豪勢なものになると思われたのだが、
ここでタイサが水を差してしまう。

「魚嫌い。 他のにしてくれない?」
「また偏食? 成長期の時期に好き嫌いばかりしてたら大きくなんて……」
「大きくなってるじゃん。背なんかマジメよりずっと高いよ。」
「くっ……じゃあ何が食べたいって言うの?どうせまた……」
「ラーメン」
「やっぱり!」
「あ〜、魚は魚でも魚介系のラーメンなら食べたいかも。作ってよ。」
「チョット!ここにある調理器具でラーメンなんて作れると思ってるの?簡単に言わないでよ。
 それにラーメンならさっき食べてたでしょ?見てたんだから。」
「マジメも見てるだけじゃなくてさ、一緒に食べれば良かったのに。」
「私はラーメンを食べる姿を見たり、すする音を聞くだけで十分なの。」
「うぇ……なにそれ気持ち悪い……」
「あんな脂っこいものを健康気にせず食べる方が気持ち悪いと思うけど!?」
「マジメは本当に美味しいラーメンを知らないんだな……可哀想に。
 今度オススメのお店に連れて行ってあげるよ。そしたら考えも変わるでしょ。」
「一回くらいなら行ってあげても良いけど、絶対に好きにならないから安心して。」


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