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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

390 ◆V9ncA8v9YI:2016/06/07(火) 13:00:13
トモとタイサの勝負が終わって一件落着と思われたが、難題はまだ残されていた。
それはカリンの注文した大盛りラーメンをどう片付けるか、という問題だ。
サラダを食べるだけでお腹いっぱいになるようなカリンがこの量を完食するのは不可能だろう。
頼りの綱はラーメン大好きトモとタイサだが、激闘の末に食い倒れているため戦力にはならない。

「残しちゃえばいいんじゃない?」
「それはダメ!」

サユキの提案に、カリンはビクビクと怯えながら返答した。
このお店は決して食べ残しを禁止していないし、店主も大体の事情を把握しているのだが、
それでもカリンは「残す」という選択肢を取ることが出来なかった。
この席に座ることによって、"ラーメンの魔物"に取り憑かれてしまったのだ。
そんなものが存在するかどうかは定かではないが、
このまま立ち去ってしまえば周囲から「ギルティ(重罪)」と罵られてしまうような気がしてならない。
故にカリンは八方塞がりとなったのである。
この状況を救うには、仲間である連合軍が食すしかない。
では誰が食べるのか?
アーリーが、サユキの肩をポンと叩いた。

「ダイエットやめろって言われたじゃん、先生に。」
「何!?先生って誰!?」
「私たち女の子は今変化している、サボったり怠けたりしている訳じゃないのに……
 マユは太ってるんじゃなくて変化してるんだよ。」
「だからマユって誰!?ていうかアーリーのキャラ変わってない!?
 そんな演技しても私は食べないからね!!」

トモやタイサですら難色を示す強敵に立ち向かおうとする若手は存在しなかった。
カリンのことは可哀想だと思うが、どうしようもないのだ。
トモとタイサが無理して立ち上がろうとしたその時、1人の朗らかな声が聞こえてくる。

「なんだ、みんな食べないのか?じゃあ私が頂いちゃうぞ〜」

声の方を向いたトモとタイサはゾッとした。
2人のラーメン戦闘力は非常に優れており、
更に他人のラーメンオーラを知覚する能力も備えているのだが、
これほどまでに強力なラーメンオーラを持つ者が身近にいることに、今まで気づいていなかったのだ。

「なんでありますか!この巨大なオーラは!!」
「オーラが大きすぎて気づかなかったんだ……私たちとはモノが違う!!」

カリンの席に座ったその人は、トモやタイサ以上のスピードで麺を啜っては、あっという間に平らげてしまった。
しかもまるで苦しい顔をしていない。終始にこやかだ。
挙げ句の果てに、サイドメニューとしてウニとエビまで頼んでいる。
こんな化け物には勝てないと、2人は心から思った。

「いや〜食べた食べた。ラーメンは昔から好きだったんだ。
 16歳の頃なんて、行列店をずっとずっと並んでたなぁ。」
「マイミ様……」「凄いであります……」


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