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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

329 ◆V9ncA8v9YI:2016/05/22(日) 16:53:34
オカールの発言とほぼ同じタイミングで、バキッと言う破壊音が聞こえてきた。
その先ではベリーズの団長、シミハムが腹を抑えて苦しそうにうずくまっている。
近くに鉄球が転がっていたので、モモコは誰の仕業なのか瞬時に理解することが出来た。

「マイミか……」

モモコやミヤビ、そしてクマイチャンがキュートに応対している間、
シミハムは橋からの遠距離攻撃を全て三節棍で弾き飛ばしていた。
超人的な反射神経と巧みな戦闘技術がそれを可能としていたのだが、
1人で戦う時間があまりにも長かったため、ひどく消耗してしまったのである。
相手が格下だけならば疲れた身体でもなんとか踏ん張れただろう。
しかし、橋にはマイミがいる。アイリだっている。
いくらシミハムと言えどもそれらの強者の攻撃をただ受け続けるだけというのは辛かったようだ。
そして結果的に、マイミのブン投げた鉄球に棍を折られ、腹に強烈なダメージを負ってしまったという訳である。
この成果には帝国剣士、番長、KASTらも歓喜する。

「凄い!やっぱりマイミ様とアイリ様は凄いっちゃ!」
「それもそうやけど、これはカナたち若手勢の力も通用しとる証拠やで!」
「遠い存在と思ってたけど……ベリーズの足首を掴めるところまで来てたのかもね……」

ただの一撃のおかげで、連合軍の士気は上がりに上がっている。
逆にテンションが落ちているのはベリーズとカントリー達だ。
モモコはしまったという顔をしながら頭を抱えている。

「やっちゃったなぁ……ミヤビ、次どうする?」
「……」
「ミヤビ?」
「遊び過ぎたんだ……」
「ミヤビ?どうした?」
「これ以上調子に乗らせる訳には行かない!!本気だ!本気で相手してやる!!」

ミヤビがそう言った瞬間、この空間にいるすべての者は無数の刃によって全身を切り裂かれてしまった。
もちろん本物の刃でないことは言うまでもない。
これはミヤビの凶暴凶悪な殺気が形となった諸刃の剣なのだ。
弱者だろうと強者だろうと、相手だろうと味方だろうと関係なく、鋭い刃物で八つ裂きにしていく。
あまりにリアル過ぎる苦痛に、帝国剣士、番長、KAST、そしてカントリーの面々は戦意を喪失してしまった。
これだけでも十分脅威なのだが、ミヤビはまだ動きを止めなかった。
オーラは所詮オーラ。
相手を真に屈服させることが出来るのは自分の腕だけである事を理解しているのである。

「オカール、遊びは終わりだ。」

ミヤビはオカールに絡みついた糸を、脇差でスパスパと切断していく。
自身を宙に浮かせていた糸が切れたということは、オカールの行き先はただ一つ。
容赦なく海へと落ちていくのだった。

「うわああああああああ!」


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