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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

290 ◆V9ncA8v9YI:2016/05/05(木) 16:09:48
「マイミ様、鉄球はあと2つ残っています。」

カナナンは同士タケ・ガキダナーから借りた鉄球をマイミに託した。
自分よりもマイミが投げた方が圧倒的に強いとの判断だ。

「ありがとう。次はシミハムに防がれないようなしなくてはな……」
「そのためには、皆さんに隙を作ってもらわないといけませんね。」

カナナンが視線を送った先には、今にも矢を射ろうとしているトモの姿があった。
橋が開いたおかげで足場はかなりの急斜面になっているのだが、
両方の脚で柵を挟み込むことでガッチリと体勢を固めている。

(シミハム様には攻撃が当たる気がしないし、モモコ様は何をするのか全く予想できない。
 でもね……その中でもミヤビ様は隙だらけだよ!!
 そのガラ空きの胸に遠慮なくブチ込ませてもらう!)

偉大な存在を前にしながらも、トモは落ち着いて矢を放つことが出来た。
これはシミハムの「無」がキュートだけでなくベリーズのオーラまで消し去ってくれたおかげだろう。
いつもは命中精度の悪い射撃ではあるが、今回ばかりは狙い通り真っ直ぐに突き進んでくれた。

(よし!当たれ!)

矢はあっという間にミヤビの元へとすっ飛び、すぐにでも胸を突き破らんと言ったところまで到達している。
いくら食卓の騎士だろうが心臓をやられては無事にはいられないはずだ。
ここで敵の一角であるミヤビを落とすことが出来れば連合軍は相当有利になるだろう。
……だと言うのにもかかわらず、ミヤビはまるで慌てたりはしなかった。

「へぇ、なかなか良い腕をしている……でもその程度じゃ貫けないよ。」
「!?」

ミヤビは身に降る攻撃を最後まで避けなかった。
そしてさらに驚くべきは、ミヤビの胸にぶつかった矢のほうがポッキリと折れてしまったのだ。
文字通り鋼鉄の強度を誇る胸板に、トモは驚きを隠せない。

「あれ!?え?……確かに……」

ありえない出来事が起きたので、トモは軽いパニックを起こす。
そんなトモに対して、側にいたアイリが声をかける。

「ミヤビのアゴと胸は硬いから狙っても無駄よ〜。
 余程の威力を持った一撃か、あるいは生身の部分への攻撃じゃないと
 ミヤビには傷一つ負わせることが出来ませんからね〜。」
「そんな……噂には聞いてたけどここまで真っ平らだとは……」
「背中を向けた時がチャンスですよ〜。」
「えっと、胸と背中の区別がつきません……」


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