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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部
29
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/01/16(土) 04:44:00
三節棍をグンと引っ張っては、力強く振り回して周囲の壁に何回もぶつけていく。
本来の持ち主がすぐに棍から手を放したため、シミハムごと叩きつけることまでは出来なかったが
それでも敵の武器を奪い取り、尚且つ破壊できたのは大きな成果だった。
マイミがクラッシャーっぷりを発揮すればこれくらい容易いのである。
「さぁ、丸腰でどう私に勝つつもりだ!」
武器を失ったシミハムは誰がどう見ても絶体絶命の状況だった。
三節棍を持ってしても倒しきれないマイミに対して、素手でどうこう出来るはずがない。
普通の戦士であれば敗北を認めて降参してもおかしくないシチュエーションだ。
ところがシミハムはそうしなかった。
それどころか目を閉じて、その場で座禅を組み始めたのだ。
真剣勝負の場でこんなことをするなんてふざけているとしか思えないのだが、
この行為にはちゃんと意味があった。
(なんだと?……シミハムの姿がぼやけていく……)
シミハムの身体そのものが、目に見えて薄くなっていく。
彼女の集中が極限に達した結果として、目視することすら困難なほどに存在が希薄になったのだ。
他の食卓の騎士が天変地異のようなビジョンを視覚的に見せているのに対して、
シミハムは無そのものを具現化しているため、このような現象を可能にしているのである。
こうなればもう透明化と同じ。マイミは何をされても抵抗できないだろう。
武器のアドバンテージなんて、無いも同然だ。
(驚いた……シミハムの修行はここまで極まっていたというのか。
同じ食卓の騎士でありながら、私はベリーズのことを何も分かっていなかったんだな。
だが、ここでみすみすと勝利を逃すわけにはいかない!絶対にだ!
私の全神経を注いでお前の姿を捉えてやる!!)
シミハムが集中するのと同じくらい、マイミは前方に向けて集中した。
国を、そして王を守りたいという使命感が大きくなるのに連動してマイミの雨女力も強くなっていく。
嵐を超えて、暴風雨を超えて、台風を超えて、マイミのビジョンはハリケーンの如き激しさを見せる。
部屋中のどこを見ても雨が降る中、ただ一部分だけは穴が開いたかのように「何も」なかった。
シミハムはそこにいることをマイミは確信する。
「そこだぁ!!」
何もない空白に向かってマイミは飛び掛かる。
これを逃せばチャンスはもう来ないと心から信じている。
オカールの叫び声も聞こえないほどの瞬間最大降水量の中、マイミは強烈なパンチを繰り出していく。
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