[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。
SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部
282
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/05/02(月) 12:46:56
ハルは船を目掛けて全速力で泳いでいた。
ベリーズの本拠地に乗り込むのは確かに怖いが、今はキュートや他の仲間たちが支援してくれている。
だからこそハルは勇気を持って、サユとマーサー王の救出に向かうことが出来ているのだ。
もしも仮に二人が船に乗っていなかったとしても貢献可能なことはたくさんある。
例えば船を中から壊したり、燃料をこっそり抜き取ったりなど、様々だ。
泳ぎの得意な自分にしか出来ない仕事なので、ハルは誇りに思いながら前進していく。
(ん?……なんだあれ。)
一人の少女が海に落ちたのをハルは目撃した。
大型船から落ちたので、その少女がカントリーの誰かだということはすぐに分かったが
他に優先すべき使命があるために関わろうという気にはなれなかった。
(誰かに落とされたのかな?……でもごめんな。今はちょっと余裕がないんだ。
自分のお仲間にでも助けてもらってよ。)
余計な情報を振り切るように、ハルは手足をぐるりぐるりと回して一心不乱に泳いでいく。
ところが、今まさに船へと到達するといったところで不可解な現象が起き始めた。
なんと身体が逆に船から遠ざかっていったのだ。
(なんだ!?ハルの身体が勝手に……)
前に進もうと必死にもがけばもがくほどハルは船から離れていく。
恐怖ゆえの逃避行動などではない。物理的に何者かに運ばれているのだ。
慌てて周囲を見回すことで、前進を阻害する小さな生物の正体に気づくことが出来た。
(魚!?……それも、いっぱいいる!)
数百匹の小魚が群れになって、ハルを必死に船から引き離していた。
いくら泳ぎの得意なハルであろうと、真の泳ぎのプロが相手では分が悪い。
振り払おうとしてもスルリとかわされて、どうしようも出来なかった。
そして無駄な足掻きを繰り返しているうちに、呼吸の方が限界を迎え始める。
(やば……空気を吸わなきゃ……)
酸素を補給するためにハルは一旦、海上に上がろうとした。
その分だけタイムロスにはなるが、窒息してしまっては元も子もないので仕方のない行動だろう。
しかし、無数の魚群はそれすらも許してくれなかった。
ハルの上方向にビッシリと集まり、行く手を阻む壁となったのだ。
(おい!なんだよそれ!ふざけんなよ!)
さっき以上に手足をバタバタさせてもがくハルだったが、ほとんど効果はなかった。
それどころか何匹かの魚がお腹に体当たりをしてくるので余計に苦しくなってくる。
溺れかける中で、ハルは先ほど海中に落とされた少女と一瞬だけ目があった。
その少女、チサキはただただハルの方をじっと見つめていたのだ。
「モモコ、チサキちゃんの能力はひょっとして……」
「ミヤビも気づいた? そう、チサキちゃんは魚類を操るの。
水中での戦いなら私も敵わないかもね〜。」
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板