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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

170 ◆V9ncA8v9YI:2016/03/24(木) 12:53:42
「あ、あの人達の声かも!?」

奇声の正体を知らないアーリーは、馬を走らせる延長線上に突っ立ている二人を指差した。
声の主当てクイズとしては不正解だが、謎の人物の登場に一同は注目する。

「なにあれ、怪しすぎない?……」

サユキがそのような感想を抱くのも当然だった。
2人のうち片方はどこにでも居そうな短髪の少女なのだが、
そちらではない低身長の女性の方は、人間とは思えない見た目をしていたのである。

「天使……さん?」

カナナンの言う通り、その女性には真っ白な天使の羽根が生えていた。
初めは作り物の羽根ではないかと疑ったが、ちゃんとバッサバッサと羽ばたいている。
しかも、よく見ればその天使は少しだけ浮いているようにも見える。
疑いの余地のない事実に一同は目を丸くすることしか出来なかった。
どうにかして正体を突き止めたいと思っていたところで、
天使の方から挨拶をし始めていく。

「どうも〜ホワイトマナカんこと、マナカ・ビッグハッピーでーす。で、こちらが」
「マイ・セロリサラサ・オゼキングです。」
「気軽に"マナカん"と"マイちゃん"って呼んでくださいね〜」

にこやかな笑顔で自己紹介する天使マナカンを、番長およびKASTはひどく警戒していた。
この2人の所属に関して心当たりがあったのだ。

「あんたら、モモコの部下やろ。」
「えっ!?なんで分かったんですか〜!?」
「こんなだだっ広い草原で友達になろうとする奴なんておらへんやろ!」
「あ!確かにそうですね。」
「モモコの部下ならカナ達を足止めしようと思ってもおかしくないしな。」
「うん。うん。大正解です。じゃあ早速始めましょうか。」
「8対2でか?……いや、リサ・ロードリソースみたいに1万の味方がいたりとか……」
「そんなにいませんよ〜!……せいぜい1000羽がやっとです。」

マナカがそう言った次の瞬間、カナナンの身体が一気に上空へと飛ばされる。
いや、連れてかれたという方が正しい。

「なっ!?こ、これは……」
「今夜天国に連れてってあげますからね〜」


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