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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

165 ◆V9ncA8v9YI:2016/03/22(火) 07:42:48
ベリーズ戦士団のチナミは本人の技術力もさることながら、
数多くの職人たちを取りまとめる「棟梁」としての面も評価されていた。
持ち前のコミュニケーション能力によってどんな気難しい職人とも心を通じあわせることが出来るため、
自国で製造される武器の品質を加速的に向上させることに成功していたのだ。
だが今のマーサー王国にはチナミはもういない。
食卓の騎士の武器の整備についてはチナミに一任されていたので、
たとえ故障したとしても簡単に修繕することが出来ないのである。

「こんなボロでも私たちにとっては使いやすいんだ。
 新品の既製品を使うよりずっとね。」

そう言うとマイミは自身の愛用するナックルダスターをじっくりと見せてくれた。
確かに優れた造りではあるが、食卓の騎士の戦いについてこれず、あちこちダメになっている。
これでもキュートが強いのには変わりないが、ある程度はパフォーマンスが落ちるだろう。
それは良くないと思ったマーチャンが、ある提案をする。

「キュートさんの武器、マーチャンが見ていいですか?」
「?……君なら治せるというのか?」
「たぶん。」

マーチャンがそんなことを言うものだから、近くで見ていたハルはギョッとする。
そして慌てて止めに入るのだった。

「マーチャンなに余計なこと言ってるんだよ!
 すいません皆さん、この子の言うことは気にしないでください……」

ハルが必死にフォローをしたがもう遅い。
話の全てをオカールに聞かれてしまっていた。

「面白いじゃんか。ちょっとだけ待ってやるから修理してみな。
 ただし、キュートの時間を奪ってるってことは自覚しろよ?
『やっぱり無理でした』じゃ済まないことは分かってるよな?」
「……はい。」
「よし、よく言った。じゃあ案内してやるよ。
 もう使われていない『ベリーズ工房』にさ。」


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