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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

146 ◆V9ncA8v9YI:2016/03/14(月) 23:51:24
アーリーを泣き止ませたところで、オカールはドカッと椅子に座り出す。
優しい先輩でいるのはここまでだ。
卓に着いてからは敵の殲滅のみを考える戦士の顔になっていく。

「全員揃ったわけだし、そろそろ作戦会議を始めようぜ。
 ベリーズをメッタ切りにするためのなぁ!!」

かつて共に戦った仲間に対してそんなことを言うオカールを見て、
「フクちゃんがこの場に居なくてよかった」とサヤシは心から思った。
食卓の騎士の大ファンである王にはとてもじゃないが聞かせたくない言葉だ。
だが、今のベリーズは英雄である以前に王を連れ去った大犯罪者。
オカールが苛立つのも無理もないかもしれない。

「……アイリが議長を務めろよ。頭良いんだろ。」
「はいはい、じゃあ何から話しましょうかねぇ。」
「んなもんベリーズのぶっ倒し方からに決まってるだろ!馬鹿か!?」
「……」

結局、進行はオカールによって強引に行われることとなってしまった。
だがこのテーマは若手戦士たちにとって非常に興味深いものだ。
怪物のようなベリーズを倒すための糸口が見えるかもしれない、そう思うと勇気が湧いてくる。
カナナンもヤッタルチャンなようだった。

「いいですねぇ、それではアンジュの詳細な戦力から紹介しましょうか。」
「アンジュの?あー、いい。そんなのはいい。」
「へ?でも誰がどれだけ強いか分からないと、作戦はたてられないんじゃないですか?……」
「そっか、まだ分かってないんだな。」
「?……」

オカールは立ち上がっては机をバン!と叩く。
そして一同の注目を集めたところでこう言い放ったのだ。

「作戦はこうだ。キュートの4人でベリーズ4人をぶっ潰す。
 残りのベリーズ2人をお前ら全員で死ぬ気で倒せ。
 キュートも余裕が有ったら助けてやる。以上。」

オカールの示した戦法はとてもSHOCK!なものだった。
キュートがベリーズと戦うくだりはまだ良い。
問題なのは帝国剣士、番長、KAST全員合わせてベリーズ2人分としか認めてもらえてない点である。
少なくともこの場には16人の優秀な若手が揃っている。
それらの力を総動員したとしても2人分だと言うのだろうか。

「はは……確かに言えてますね……」

ここで口を開いたのは帝国剣士のカノンだった。
とても不本意ではあるが、そう言わざる得ない理由があった。

「だって、仮にこの場でオカール様とアイリ様の2人を倒せって言われても全然イメージ湧かないもん。
 たぶん私たちのうちの何人かを犠牲にしないと戦いにすらならないと思う。
 それだけレベルの違う相手なんだよ……
 まだベリーズ2人を倒せるって言ってもらえるだけ好評価なのかもしれない。」
「お、よく分かってんじゃん。まぁちょっと違うけどな。」
「え?……」
「倒せるとは思ってない。よくて相討ちだろ。」
「!!」

一同は悔しくって悔しくってぶち壊したい夜がある程の思いだったが、
正論ゆえに何も言うことが出来なかった。
伝説同士の戦いに参加するだけでも奇跡なのかもしれない、そう思っていた。
しかし、1人だけはそう考えていない。

「違うぞオカール!」
「あぁ!?何言ってんだよ団長!」
「ここに居るみんなだって立派に戦える。やりようによっちゃキュートだって凌げるさ!」


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