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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部
141
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/03/11(金) 12:49:43
「あなたのお仲間も心臓バクバクみたい。KASTに何かあったんですかね〜?」
まるで心の中を見抜くかのような言い振りをするアイリを前にして、トモは何も言えなくなってしまった。
いや、トモだけではない。 アイリとオカール、ナカサキを除く誰もが動揺している。
マイミですら髪が額に張り付くほどの汗をかいていることからも、
今後起こりうることのヤバさが容易に想像できるだろう。
「おいおいおい!なんだよ!嘘をつこうとしてたってのか!?」
オカールの怒声を聞いた一同は、完全に縮み上がっていた。
狼に喉元を容赦なく噛み切られる思いをしているのだから、ここで元気に居られるはずがないのだ。
アーリーの遅刻を正直に話すのはマズいが、嘘が暴かれるのはもっとマズい。
その時にはイメージではなく、本当に首を斬られかねない。
「なに黙ってるんだよ!言えよ!全然ワケわかんねぇな!!
騙そうとしてたのか!?だったら絶対に許してやんねぇ!
どうなんだよ!おい!どうなんだよ!!」
だが本当に真実を打ち明けるべきなのか?
そうして制裁を受けた場合、自分たちの心が完全に折れてしまうのではないか?
トモがそう葛藤しているうちに、部屋の扉が開かれる。
「ごべんなざぃ〜〜遅れちゃいましたぁ〜〜!」
扉を開いたのは、最悪にも少しの遅れで済んでしまったアーリー・ザマシランだった。
いつもの美人顔が台無しになるくらいにひどく号泣している。
ここで一同は死を覚悟した。
もはや言い訳など通用しない。後はオカールの怒りをただただ受け入れるのみ。
ただの威嚇で首を搔っ切られるのだから、こうなれば骨まで残らないのかもしれない。
イメージで何回殺されようがじっと耐えよう。そう考えたのだ。
ところが、オカールのとった行動は想像を超えたものだった。
「お……おい、大丈夫か?」
「うぇぇぇぇん!ごめんなさい!本当にごめんなさい!」
「ほらほら泣かないで、いったいどうしたの?」
「あっちの方まで行っちゃったんです〜〜」
「あっちまで行っちゃったの?怖かったね〜もう大丈夫だからね〜」
「大丈夫?……」
「うん大丈夫大丈夫。落ち着いてきた?」
「ちょっと……」
「よし、もうひと頑張りだ。」
トモは、サユキは、カリンは、そして他のメンバーらは信じられないといった顔でポカンとしていた。
てっきり激怒して暴れ回るかと思いきや、オカールは泣き叫ぶアーリーをあやし始めたのだ。
普段から小さい子供に囲まれて生活するオカールから見れば、アーリーは大きい赤ちゃんのようなもの。
ならば泣き止むように努めるのは当然のことなのである。
そんな一面を知らず呆気にとられているトモの肩をポンと叩いて、アイリがボソッと呟く。
「だから言ったでしょ〜? 嘘はダメですよ、って。」
「は、はい!……なんか、自分が恥ずかしいです。」
「うふふ。気にしないで。」
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