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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

13 ◆V9ncA8v9YI:2016/01/12(火) 08:38:51
ハルナン達が人さらいと遭遇したのと同時刻。
残りの帝国剣士らも、城門前で信じ難い光景を目にしていた。

「マイミ様!?その怪我はいったい……」

帝国を訪ねてきたのは、マーサー王国のキュート戦士団団長であるマイミだった。
それ程の大物がやって来るだけでも一大事だというのに、
そのマイミの鋼鉄で出来た義足が両方とも折れ、
更に腕が真っ赤に腫れているのだから一同は大騒ぎだ。
そんな人間が無事であるはずが無いと思った新人剣士は特にパニックに陥っている。

「い、今すぐ誰かにDoctorを呼んできてもらいます!」

ノナカ・チェル・マキコマレルは門の中にいる兵士らに助けを求めようとしたが、
それを帝国剣士団長兼、Q期団団長であるエリポン・ノーリーダーが制した。

「待って!」
「What's!?」
「騒ぎを起こすのはまずい。なるべく他の人には知らせないようにしよう。」
「でも急がないとその人が死んじゃいますよ……」
「私なら大丈夫。それよりも頼みを聞いて欲しい……そのために走ってきたんだ!」

マイミの言葉に帝国剣士らは息を飲んだ。
走ってきたとは言うが、義足の破損した今のマイミに脚はない。
つまりは、二本の腕だけでここまで来たということになる。
いくらモーニング帝国とマーサー王国が隣国とは言え、ここまで手押し車で来るなんてレスリング選手もビックリの体力だ。
霊長類最強女子とはマイミのことを言うのかもしれない。
そんなマイミがこれだけボロボロになっているのだから、一同は興味を引かれずにはいられなかった。

「頼み……とは?」
「結論から言う。キュート戦士団が倒され、マーサー王がさらわれたから助けて欲しいんだ!
 我々キュートだけでは……王を取り戻すことが出来ない!!」
「「「「!?」」」」

マイミの口から飛び出したのは、本日最も信じられない事実だった。
マーサー王がさらわれることの重要性はもちろんのこと、
化け物のような強さを誇るキュート戦士団が壊滅したということにも驚かされた。
マイミだけでなく、ナカサキ、アイリ、オカール、マイマイと言った超一流戦士が揃っているというのに
敗北を味わうなんて現実味が無いにもほどがあった。

「い、いったい誰にやられたんですか?……」

マーサー王国の守護戦士、いわゆる食卓の騎士の強さを身をもって知ったことのあるサヤシがおそるおそる訪ねた。
キュートと同格と言われているベリーズ戦士団の恐ろしさに泣かされた経験から、
それに相当する強さを誇る人物がいるなんて未だに信じられていないのだ。
だが、そこでサヤシは気づいてしまった。
キュート戦士団を壊滅に追いやる、キュート戦士団に匹敵した実力者集団の存在を理解してしまったのだ。

「え!?まさか、いや、そんな……」

その存在を思い出すだけでサヤシの身体は重くなる。
あまりの重圧に吐き気がしそうになってくる。
サヤシが勘付いたのを悟ったマイミは、本件の全貌を明らかにする。

「あぁ、我々キュートを倒すことが出来る強者なんて、彼女ら以外には存在しないだろう。」


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