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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

129 ◆V9ncA8v9YI:2016/03/07(月) 12:57:10
「みんなもう来てたのか!感心だな。」

控え室の扉をマイミが開いたものだから、帝国剣士と番長らは一気にピリッとする。
歓迎ムードゆえにマイミは嵐のような殺気を抑えてはいるのだが、
それでもやはり伝説を前にしてリラックスすることなど出来なかったのだろう。
他の人よりはほんの少しだけ耐性のあるハルナンが声をかけるのがやっとだった。

「あの、マイミ様……打ち合わせはまだ先のはずですが、何の用でいらっしゃったのですか?
 キュートの皆様はギリギリまで休んでもらっても良いんですよ?」

じゃなきゃ自分たちの身体がもたない、といった本心まではハルナンも口に出さなかった。
出来ればキュートと顔を合わせるのは会議の場だけであって欲しいと思っているのだ。
だがマイミもここに来るだけの正当な理由を持ち合わせていたようだ。

「会議の前に伝えておきたいことがあってな。」
「伝えておきたいこと?……」
「実はオカールのヤツの機嫌が相当悪いみたいで……誰彼構わず当たり散らすかもしれないんだ。」
「!?」

オカールと言えばキュートの中で最も凶暴だと言われている狂戦士。
常に飢えており、全方位に噛み付かんとするその姿勢は脅威だ。
そんなオカールの虫の居所が悪いなんて聞いたものだから、一同は震え上がってしまう。

「ま、まぁ安心してくれ!君たちが刺激しなければ何もしないはずだ。
 もしも不当に暴行を働こうとしたならば、私が身を挺して護ると約束する!」

マイミがそう言うまでもなく、帝国剣士と番長にはオカールにどうこうする度胸など無かった。
あれだけ恐ろしいクマイチャンやモモコと同格の戦士にちょっかいかけるなんて、想像しただけで恐ろしすぎる。
出来れば平穏に、波音立てずに終わらせたい。誰もがそのように思っている。
しかし、そう上手く行きそうにはなかった。

「ごめんなさい!遅れました!」
「KAST……3名、今到着しました!」

このタイミングでKASTらが部屋に入ってきた。
トモ、サユキ、カリンは全員が全員汗ダクで、急いでここまで来たというのが伝わってくる。
だが何かがおかしい。
ここに来ると聞いていたメンバーが1人見当たらないのだ。

「あぁ、会議はまだだから気にしないでくれ。 遅刻なんかじゃないぞ。」
「それが……それが……」
「そんな青い顔をしてどうしたんだ?」
「アーリー・ザマシランが遅刻するかもしれないんです!
  途中ではぐれちゃって……どれだけ急いでも開始時刻には間に合わないかも……」

報告したサユキも、その仲間であるトモとカリンもこの世の終わりのような顔をしていた。
キュートも参加する会議に遅刻するのだから、絶望するのも当然なのだろう。
そして、KASTだけでなくモーニング帝国剣士や番長らも恐れた顔をしている。
その上。マイミですらも神妙な顔をし始めてしまった。

「まずいな……このままだとオカールは確実に激怒するぞ……
 そうなったら私でもヤツを止められないかもしれない……」


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