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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

123 ◆V9ncA8v9YI:2016/03/04(金) 22:30:02
次にタケが目を覚ましたのはベッドの上だった。
隣でムロタンやマホも横になっていることから、
決闘での負傷者が病室へと運び込まれたのだと理解する。

「あ!タケさん起きた!」
「タケさんおはようございます。」
「お、おはよう。ムロタン、マホ。」

勝負に敗れたはずの後輩たちがニコニコ笑顔だったので
タケは本当に自分たちが勝ったのか不安になってしまった。
だがその心配は無用だ。確かに勝利を収めている。
枕元に置かれた手紙がその証拠だ。

『しあさってには出発なんだから早く治しなさいよ! メイより。』

メイの書置きを読んで、改めてタケは今回の趣旨を思い出す。
この決闘はベリーズを倒しにいく者を決める戦いだったのだ。
となるとタケには一つの不安があった。

「うーん……ねぇ、ムロタン、マホ。」
「はい?」「なんですか?」
「私の代わりに2人のどっちかがマーサー王国に行ってくれない?」
「「!?」」

やっとの思いで権利を死守したタケが辞退したものだから、後輩2人はビックリ仰天だ。
その言葉の真意をまず知りたくなってくる。

「どうしてですか!?タケさん、やっぱり怖くなったんですか?」
「そんなんじゃないよ! ただ、今の私じゃ戦力にならないと思ってね。」
「「?」」
「ほら、何発も銃に撃たれたから本調子じゃないんだ……」
「「あ……」」
「万全でも勝てるかどうか分からない相手に、こんな身体じゃ挑めないよ。
 番長に、帝国剣士に、KASTのみんなに迷惑はかけたくない。
 でも2人なら二、三日寝たら回復するはず。 だったら力になれると思うんだ。」
「「……」」

タケの言うことはもっともだし、新人にとってはこれ以上無いチャンスでもあった。
この機を逃したら次に大舞台に立てるのはいつになるか分からないだろう。
それでも、2人は首を縦には振らなかった。

「行けないよね、マホ。」「うん。」
「どうして!?2人は十分強いじゃないか。絶対活躍できるって!」
「ダメですよ。私たちは負けたんですから。」
「ムロタンの言う通りです。 修行をやり直します。」

ルールはルール。敗北した以上は身を引く潔さは立派だった。
でも、それではタケが困るのである。

「ちょっとちょっと!今回はアンジュから4人が出撃することになってるんだよ!?
 これだとカナナン、メイ、リナプーの3人で行かなきゃならないじゃないか!」
「もう1人、いますよ。」
「!」

マホの言葉を聞いて、タケはハッとした。
タケも認める新人番長には、あともう1人残されていたのだ。

「私とマホは負けたからマーサー王国にはいきません。約束ですからね。でも……」
「そうか!リカコは負けていない!」


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