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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

111 ◆V9ncA8v9YI:2016/03/02(水) 12:57:07
アンジュの番長は、先輩4人と後輩3人でそれぞれ分かれて戦うことが多かった。
このようになった原因は上下関係によるのではない。
同期間での役割が非常にハッキリしているため自然と分かれていったのである。
例えば先輩番長の役割は以下のようになる。
司令塔のカナナンが仲間に指示を出し、
身体能力の高いタケと、演技によってどんな状況も対応できるメイが前線に出て、
透明化を得意とするリナプーが場を掻き乱す……といった具合だ。
対する後輩番長には司令塔らしき人物は存在しないが、
ムロタンの防御で味方を護り、リカコが相手の視界を奪ったところで
マホが狙撃するといった必勝パターンを確立させていた。
今回、新人はリカコの一枚落とし程度で済んでいるのに対して、先輩であるタケはたった1人で臨まなくてはならない。
誰がどう見ても不利な状況にあるのである。

「せめてメイがおったらな……今のタケちゃんは弾丸から身を護りつつムロタンの護りまで崩さなあかん。」
「あはは、このままだとタケ負けるね。ばくわら」
「リナプー!笑い事やないやろ!」
「……だからさっきも言ったじゃん。カナナンはたまに馬鹿なところあるって。」
「!?」
「この勝負は同期の勝ちだよ。 タケだってそれを分かってるみたいだし。」

リナプーはそう言うが、当のタケは未だにこの状況を打破できずにいた。
身体で貰った銃弾の数は太ももをやられたことで3発に達しているし、
マホを倒しに行こうにもムロタンに回り込まれて妨害されてしまう。
ならばムロタンをぶっ倒せば良いと考えたが、スナイパーに狙われたままでは本気の投球を見せることも不可能だ。
そして、仮に超豪速球を投げたとしてもムロタンの「見えない壁」を破れるかどうかは分からない。
まさに絶体絶命なのである。
タケが苦しい顔をするのを見たムロタンは有頂天になる。

「そろそろキツいんじゃないですか?顔が死んでますよ!」
「まだ負けてない……」
「いえ、もう終わりです。 その撃たれた脚じゃもう避けられないでしょ?
 だからこれが最後なんですよ!マホ!やっちゃって!!」

ムロタンはタケを指差し、大声でマホに指示を出した。
動けぬ的のど真ん中に弾丸を当てればそれで終了だと考えたのだ。
ところが、何か様子がおかしい。
ムロタンが発射のお願いをしたというのに、いつまで経っても銃声は鳴り響かない。

「え?……マホ?……なんで撃たないの?」


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