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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部
108
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/02/29(月) 13:13:51
「ふふっ、いいんですか?メイさん抜きで」
自分の有利な方向にコトが進むのが愉快すぎて、ムロタンはついつい吹き出してしまう。
ピリピリとした顔をするタケとは全くもって正反対だ。
「いいよ。もう始めよう。」
そう言うとタケは腰につけたホルダーから鉄球を一つ取り出した。
この鉄球「ブイナイン」こそが彼女の武器。
現モーニング帝国帝王であるフク・アパトゥーマをも苦戦させた実績を持って、ムロタンに挑もうとしている。
対するムロタンは、なんと手ぶらだった。
これから決闘を行うというのに装備を持ち合わせていないように見えるのである。
とは言え、ムロタンの戦い方を知っているタケはそれで油断などしない。
先手必勝。全力投球の精神で鉄球をぶん投げる。
「おりゃあっ!!」
160キロオーバーの豪速球なので当たれば骨折は必至。
特にムロタンはメイが呆れたほどの薄着なので、ちょっと当たっただけで戦闘不能に陥るかもしれない。
ところが当のムロタンは全く恐れるようなそぶりを見せなかった。
手のひらを前に突き出し、魔法の言葉を叫び出す。
「バリアー!!」
この世界は魔法やファンタジーの世界ではないのでバリアーなんて出ないはずなのだが
なんと、ムロタンを狙う豪速球は手のひらに当たる直前まで「見えない壁」に跳ね返されてしまう。
このムロタンお得意の防衛術に、観客たちは湧き上がる。
「おお!あれがムロタン様の魔法か!」
「タケ様の鉄球まで防ぐとは、なんと凄まじい防御力!」
ムロタンはロックスターであると共に、エンタメ興行を取り仕切るエンターテイナーでもある。
彼女にとってはパントマイムと呼ばれるパフォーマンスを戦闘に取り入れるくらい朝飯前なのだ。
しかし、パントマイムと言えば自らの身体を用いることで無いものを有るように見せる技術。
本当に自身の身体を使っているのであれば今頃ムロタンの腕はグシャグシャになっているはずだ。
ところがそのムロタンは平気な顔をしているし、腕だってなんともないように見える。
この秘密はアヤチョ王と番長たちしか知らない。
「流石だなムロタン。この程度じゃ効かないってか。」
「もっと速い球を投げてもいいんですよ?私のバリアーで全部跳ね返してあげますから。」
「でも護るだけじゃ勝てないでしょ?攻めてきなよ、そっちもさ。」
ムロタンはこのパントマイムによって番長屈指の防御力を手に入れていたが
その反面、攻撃の手段には乏しかった。
特にタケほどの身体能力を誇る戦士を倒し切るのは骨が折れるだろう。
だが、今のムロタンはそれを克服している。
「分かりました。じゃあ攻撃しますね。」
「どうやって?パンチか?キックか?」
「狙撃です!ファイヤー!!」
ムロタンがタケをビシッと指差したのと同じタイミングで、タケの肩をから血が噴き出していく。
まるで弾丸で撃ち抜かれた時のような損傷を負っているのだ。
しかしムロタンは相変わらずの手ぶら。銃なんて持っているようには見えない。
ではこの弾丸はどこから来たというのだろうか?
「これは……なるほどね。」
「あ、タケさんも分かっちゃいました?」
この仕掛けのタネは番長ならばすぐに分かるとムロタンも自覚していた。
だが分かったところでもう遅い。
絶対防御からの一斉射撃はもう開始されたのだから。
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