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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

106 ◆V9ncA8v9YI:2016/02/28(日) 12:27:13
「ムロタン、尊敬できない本当の理由って、服がダサいとかそういうのじゃないんでしょ?」

興奮するメイを制して、タケが口を挟みだす。
声のトーンから真剣さが伝わったのか、ムロタンも真面目な顔をする。

「はい。メイさんの服がダサいとか、タケさんの足が短いとかはこの際どうでもいいんです。」
「ん……(脚が短いって言ってたっけ?)」
「ただ、タケさんやメイさんの役割なら私にも出来るなって思ったんですよ。」
「本心っぽいね。 どうしてそう思ったの?」
「例えばですけど、カナナンさんの真似は私には無理です。
 私、っていうか同期はみんな、ちょっとお馬鹿さんなんで……」
「状況を見て指示を出すのは難しいってことか。」
「そうです!タケさんもそうですよね?」
「失礼だな!……まぁいいや、続けて。」
「リナプーさんみたいに姿を消して場をかき乱すのも苦手なんですよね。」
「自分から目立ちに行くもんね、ムロタン。」
「そうなんですよ……それに、リナプーさんには一対一で勝てる気がしません。」
「えっ?ということは……」

ここでムロタンがまた聞き捨てならないセリフを言い放つ。
要するに、タケやメイには勝てるとアピールしたいのだろう。
褒められてニヤニヤしてるカナナンやリナプーとは対照的に、
タケとメイの顔がどんどん怖くなっていく。

「タケさんとメイさんってただの戦闘員ですよね?
 だったら私と同じじゃないですか。 代わっても問題ないと思いません?」
「ムロタン、そこまで言うってことはタイマンで私に勝てる気でいるのかな?」
「いや、一対一じゃなくていいですよ。」
「……どういうこと?」
「2人がかりで来てくださいよ。それでやっとフェアです。そう思いません?」
「「!!」」

タケとメイがただの戦闘員だというのは確かに正しい。
とは言え、二人は帝国剣士ともやり合うことのできるレベルにいるのだ。
そんな二人に同時にかかってこいだなんて、無謀にもほどがある。
普通に考えればこんなのただの挑発にしか思えないのだが、
マロ・テスクはムロタンに確かな自信があるのを感じていた。

「面白いじゃない。先輩として勝負を受けてやれば?
 もちろん勝った方が遠征に行けるっていう条件でね。
 いいでしょ?アヤチョ。」
「もちろん!ハルナンを助けるなら強い子の方がいいからね。」

アヤチョとマロが承認したので、いよいよこの戦いを避けることは出来なくなってしまった。
だがその点においてはなんら問題ない。タケもメイも十分やる気なのだ。
そんな二人をさらに興奮させたいのか、ムロタンが新たな条件を提示する。

「戦う時間と場所なんですけど……私が決めていいですか?」
「いいよ、好きにしな。」
「じゃあ昼過ぎに野外の大広間でやりましょうよ!!
 それまでにギャラリーをたっくさん集めてくるから期待しててくださいね。
 大勢の兵隊さん達の前で白黒ハッキリ決めましょうよ。」
「……いいけど。」

ここでカナナンは気づいてしまった。
ムロタンがしきりに挑発することで起こりうる最悪の事態を想像したのだ。

「タケちゃん!メイ!」
「カナナン、口出しは無用だよ。」
「……はい。」

マロがクギを刺すのでカナナンは何も助言できなくなった。
こうなったらもう、2人が罠にかからないように祈るしかない。

(タケちゃん!メイ!お願い気づいて!!)


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